「データ連携」で進化する、ソーシャルメディアマーケティングの今|LINE、Facebook、Twitterの活用

 2016.02.24  adtech管理者

アドテクを中心としてマーケティングのトレンドについて発信をしている『DAC AD TECH BLOG』。今回は、Exchange Wireにて掲載されました、弊社メディアサービス本部でLINEなどのスマートデバイス向けメディアを中心に扱うチームでマネージャーを務める佐瀬さん、および、メディアサービス本部 兼 グループ会社のトーチライトにてマネージャーを務める川下さんへ「ソーシャルメディアマーケティングのトレンド」についてインタビューいただいた内容をお届けします。

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左:川下、右:佐瀬

時代とともに変わる、マーケティングにおけるソーシャルメディアの位置づけ

まずはお2人の自己紹介と、DACグループの中での役割についてお聞かせください。

川下: 私はDAC媒体部門で、FacebookとTwitterの窓口担当と、トーチライトにおける広告運用の担当をしています。

佐瀬: 私は、同じくDAC媒体部門でLINEの窓口担当をしています。

DACとトーチライト社とは、現在どのような連携をしているのでしょうか。

川下:DACは媒体の仕入れをしており、トーチライトでは、仕入れた媒体の運用を行っています。LINEは、先日LINE社との連携をリリース※1させていただいた、米国のCRMソリューションツール「GIGYA」を活用した運用を行っています。また、Facebook、Twitter、Instagramはトーチライトの「Sherpa」というソーシャルメディア向けの広告運用管理ツールを活用した運用をしています。、DAC経由の案件については「Sherpa」を通じてこれら三つの媒体を、全て運用させていただいています。

※1:「Gigya」、LINEログインに対応完了(リリースURLはこちら)

ここ3年ほどで、ソーシャルメディアマーケティングの領域に大きな変化があった印象がありますが、どのように変わったかについてお聞かせください。

佐瀬:当時と比べて、媒体の環境が大きく変わりました。
当時はまだ、Facebook・Twitterなども含め、それぞれの媒体アカウントの立ち上げがやっと軌道に乗り始めた頃でした。LINEが企業向けの公式アカウントを開始したのも3年前、2012年6月頃です。広告主のブランドは、これからそれぞれのアカウントで何を発信するか、ということを考えていたころでした。媒体特性を踏まえ、マーケティング活動においてそれぞれをどのように使い分けていくか、ということを、まだ模索していた時期でもあります。

川下:FacebookやTwitterに関しては、自社のアカウントを持っている広告主はいらっしゃいましたが、どちらかというとCRM・カスタマーサービスに特化した形で、『既存の顧客向けのコミュニケーションツール』として使われているケースが多かったです。また、広告主も「きれいどころ」と言ったらおかしいかもしれませんが、コアなファンが多いブランドや『サービスのファンを可視化するためのメディア』として使われる色彩が強かった印象があります。

しかし、その後LINEの普及もあり、FacebookやTwitterも含めソーシャルメディアはコアなファンとのコミュニケーションツールというよりは、デジタルで幅広くリーチを取るためのメディアという位置づけに変わりつつあると感じています。極論を申し上げると、『広告出稿をするためのメディア』ですね。特にスマートフォンでユーザーにリーチするためのメディアとして、これらのメディアの活用は不可欠になりつつあります。

広告主の方は、LINE、Facebook、Twitterの使い分けをどのようにされているのでしょうか?

川下:まずメディア特性として、Facebook・Twitterと、LINEとでは、ユーザーと広告主のブランドとの距離感が異なるように感じています。LINEは、非常に多くのユーザーがブランドとのエンゲージメントをしますが、FacebookやTwitterと比べると、全体的にはライトなファンが多い印象です。Facebookで「いいね」をしたり、Twitterでフォローしたりするユーザーは、もう少しコアなファンで、ファンの濃度が違うと認識しています。

プロモーション目的としては、LINEはクーポンを配り店頭に誘導するというような販売促進目的で利用される広告主に多く使用されています。初期のころよりLINEに公式アカウントを開設されている広告主が、コンビニエンスストアやドラッグストア、飲食店など店舗型企業が多いことが、これを物語っているといえます。

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Facebook、Twitterは、認知獲得やエンゲージメント促進などを高めたりする使い方が多いですね。最近はアプリユーザーの獲得目的も多いですが、企業アカウントと「いいね」や「フォロー」でつながっているユーザーとは定常的なコミュニケーションを行うことをメインとし、大量の認知獲得をする際にはつながっていないユーザーも含め広告を利用する形です。

融合により競争が過熱する、ソーシャルメディアマーケティング業界

最近のソーシャルメディアマーケティング業界の動向として、何か感じられている変化はありますか?

川下:かつて、ソーシャルメディアマーケティング支援事業を行っていた事業者が、広告運用を手掛けるようになり、広告会社と事業形態が近づいてきていると感じています。
初期のソーシャルメディアマーケティングの考え方は、企業はファンをある程度囲っておけば、広告出さなくとも無料でリーチができるというものでした。ですが、最近ではこれが変わりつつあります。特にFacebookではファンに対する投稿の到達率に関するアルゴリズム変更もあり、エンゲージメント率を上げても、以前と比較するとリーチが伸びにくくなってきています。そこで、広告主のマーケティングを支援する際には、これまでの自社アカウントを運用するオーガニックの施策以外にも、広告によるプロモーションを提案し支援することが必要となり、このような状態に変化してきていると感じています。

ソーシャルメディア領域で、新しいサービス業態の登場や、それによる業界マップの変化はみられますか?

佐瀬:LINEとそれ以外では状況が異なりますが、LINE周りではエコシステムが出来つつあります。LINEという国内で6000万人規模のユーザーが使用するプラットフォームがAPIを公開したことにより、その周辺にツール会社が出始めてきました。LINEビジネスコネクトにより、LINE上で公式アカウントを持つ広告主は、ユーザーと1対1のコミュニケーションを取れるようになりました。更にAPIを介して弊社の「DialogOne」といった外部ツールを活用することで、セグメントを作成し、ユーザごとに最適なコミュニケーションを取ることが出来るようになりました。これにより、事実上広告会社をはじめ、マーケティングオートメーションを提供する事業者、ソーシャルメディアマーケティング支援事業者など、今までは競合にはならなかった事業者が同じ領域でビジネスをするようになり始めています。

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Facebook、Twitterの周辺はいかがですか?

川下:Facebook、Twitterも同じ状況ですね。運用設定や管理という領域では、私たちが提供するツールは「どの会社が広告主の管理画面を取ることが出来るか」という点においては、Facebook、Twitterが提供する管理画面ですら競合となります。ですので、Facebook・Twitterのツールよりも私たちのツールの方が見やすい理由などをはじめ、FacebookやTwitterには出来ないことをこちらで工夫していく必要があります。ソーシャルメディアに直接買いつけをせず、DACにお任せいただくメリットを広告主に提示していくことがポイントです。私たちだけにしかご提供できない機能、私たちのツールだと広告会社に使っていただきやすい環境を作ることが一番大切なことであると考えております。

データ連携がもたらす、ソーシャルメディアマーケティングの更なる可能性

トーチライトが開発されたソーシャルメディア広告運用管理ツール「Sherpa」の開発背景について教えてください。

川下:私たちが「Sherpa」を開発するにあたり、米国数十のサービスを研究して、どのようなものが、日本の私たちの立ち位置のツールとしてあるべきかを工夫しました。その結果、私たちはメディアレップの立ち位置で、広告会社向けに提供するツールとして、「Sherpa」を開発しました。広告会社との共存のしやすいツールにしようという考えが込められております。広告会社には、ツール操作に詳しく自分で運用をしている人もいれば、まったく知らない方もいらっしゃいます。したがって、UIは見やすいものにしたいと考え、またDACグループでは、既に広告会社に広く使っていただいているMarketOne®というDSPを持っていますので、見た目がこのツールと近ければ分かりやすいのではないか、と考え、UI開発を行ってきました。

ただ、運用が複雑になってきますと、簡単に見せる管理画面よりも、アナリストの人が活用しやすい管理画面が必要となりますし、運用のPDCAサイクルをいかに速く回せるかという命題のもとで、より機能の自動化していくことの必要性を感じています。一方で、FacebookもTwitterも、パートナーに対して求める条件があり、これに対応する必要がありますので、ニーズに合わせて機能強化をしていきたいと考えています。

今、FacebookやTwitterと連携させるデータに、何かトレンドはありますか?

川下:広告主のデータを使うケースが増えてきていますね。広告主の所持するCRMデータやプライベートDMPと接続し、FacebookやTwitterのカスタムオーディエンス機能を使って配信をするケースが増えています。広告主が持つ会員組織情報、サイト上の行動情報などを使い、これらを組み合わせてFacebookやTwitterに流し込み、両者の配信ロジックを加味して配信することが可能です。

それはLINEでも同じ状況でしょうか?

佐瀬:はい、そうですね。LINEでは、LINEビジネスコネクトを活用することで、現状二つのデータを活用することが可能です。まず一つは広告主の顧客データとの連携です。

LINEの識別子を広告主が保有する顧客データ(会員情報)と紐付けることで、顧客データに基づいたセグメント配信が可能になりました。もう一つは広告主がLINE内に開設した公式アカウントの中で生まれるユーザーのアクションデータとの連携です。たとえば弊社のDialogOne内で、LINEの識別子とユーザーのアクションデータを紐付けて蓄積しておくことで、広告主の公式アカウントの中で「どのユーザーが」「どんなメッセージに対して」「どのようなアクションをとったか」が把握できるようになり、そのアクションデータに基づいたセグメント配信が可能になります。

ソーシャルメディアマーケティングの効果指標は、今どのような指標が使われていますか?

佐瀬:LINEに出稿する広告主の予算は販促費から捻出されるケースも多いですが、その場合、指標は「ユーザーの店舗来訪数や、クーポン使用数」であることが多いですね。一部の広告主では、クーポンにLINE独自の番号が付与されており、店舗側でそれを確認しPOSでクーポンナンバーを取得して効果を測っているケースもあります。EC系のクライアントの場合は「ECサイトの来訪者数、購買金額」を指標としています。一方で、金融・自動車メーカーなどは、商材購買までの検討期間が長いことから、購買ではなく、「友だち数」や「メッセージに対するアクション数」をエンゲージメントの指標として採用するケースもあります。

FacebookやTwitterはいかがでしょうか?

川下:一般的なデジタル広告の配信先サイトと同様に、CPCやCPAなどが多いですね。一方で、Facebook・Twitterで提供している動画広告に関しては、視聴完了率などの指標が用いられます。また、完了単価などの定量的な評価だけではなく、それらのメディアで動画を見せることの価値を定性的に図るために、第3者機関にリサーチを依頼してブランドリフト※2 の効果を図る取り組みが出始めています。他の動画サイトの方が視聴完了を単価だけで比較すると安くなるケースが多いためです。これはインフィード広告※3の価値を探るきっかけにもなっています。

※2:ブランドや製品・サービスの認知度・購買意欲向上を目的としたブランディング広告に触れた人と触れなかった人に分け、広告に触れた人が触れなかった人より上がったかどうかを測ること
※3:Webサイトやアプリ(画面の上から下に読み進めていくデザイン)のコンテンツとコンテンツの間に表示される体裁の広告フォーマットを指す

ソーシャルメディアマーケティングの今後の方向性および、貴社グループのお取り組みの方向性についてそれぞれ聞かせてください。

川下:Instagramは昨年日本でも広告メニューの展開を開始し注目を集めていますが、新しいソーシャルメディアとして今後成長するでしょうね。このInstagramは、FacebookIDを使って出稿可能なメディアの1つなのですが、このような媒体増えていくことで、Facebookは大きな強みを持つと思っています。
また、Facebookが今事業を拡大しているオーディエンスネットワークを通じてですと、Facebook外のアプリに広告配信をすることも可能になってきています。Facebookという面ではなく、「FacebookID」に紐づいたネットワークが形成されていくと、今後どの場所で、どのようにユーザーにリーチし、どういう広告メッセージを出せば広告効果が上げられるのかということが課題になってくるはずです。その時、いかに私たちがデータとツールを活用してよいオーディエンスを作るかということに取り組んでいく必要があります。

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Twitterについては、現状広告主が重視されている「拡散」からさらに一歩進んで、拡散した後の効果、サイト誘導やコンバージョンもですが、Twitter上でのコンテンツ=ツイート自体のリーチ効果がどうであったかをより突き詰めていく必要があると考えています。現在私たちが開発した「Sherpa」はこの効果測定に対応できる機能の実装を進めており、本機能を活用し広告の使い方をもっと違うものに出来るようなしたいと考えています。

LINEに関してはいかがでしょうか?

佐瀬:私たちは、LINEはマスコミュニケーションとOne to Oneコミュニケーションとを両立させる、今まで出来なかったことができるようになった場であると捉えています。公式アカウントを持つ広告主のメッセージ配信を、例えば「月に2回はマスコミュニケーション的な使い方をし、よりメッセージを細分化させたOne to Oneでのコミュニケーションを月8回にする」というような使い方が今後増えてくるのではないか、と思っています。そのほうがより効果が上がるとみています。今まで家庭、学校、移動中の電車の中、店頭など、場所に応じて媒体を変える必要であった取り組みのすべてとは言いませんが、一部のユーザーに対しては、ユーザーの一日の行動範囲における全てを、LINEとのコミュニケーションで完結することが出来るようになるのでは、という期待もしています。このようなメディアの可能性を信じてその実現に向けたサービス開発や広告会社・広告主への提案を進めていきたいと思って考えています。

本記事はExchange Wireの記事、「時代とともに変わり、データ連携で進化するソーシャルメディアマーケティング機能 [インタビュー]」を要約・編集したものです。オリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらからどうぞ。

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