ポストクッキー時代注目のソリューション「LiveRamp Safe Haven」とは?

 2024.03.28  渡邊 彩未

現在、世界中で3rdパーティクッキー利用の厳格化が進んでおり、間もなくクッキーレス(3rdパーティクッキー廃止)の時代が訪れます。Googleも2024年からChromeでの3rdパーティクッキーの段階的な廃止を開始し、いよいよ各方面でのポストクッキー対策が講じられるようになってきました。DACはそのようなポストクッキー時代に向けた実効的な解決策として、確定データIDをベースとした次世代データエクスチェンジ環境を提供するLiveRamp社と協業を行っています。

本記事では、LiveRamp社が提供するデータコラボレーションプラットフォームである「LiveRamp Safe Haven」(ライブランプ セイフヘイヴン)についてわかりやすく説明した上で、今後のポストクッキー対策として広告会社・企業・媒体社・データホルダーが今できることは何かについてご紹介します。

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LiveRamp Safe Havenとは

サービス提供背景

昨今のクッキーや広告ID取得の制限に加え、2024年後半よりChromeブラウザの3rdパーティクッキーも規制を開始することが公表されています。その状況下では、国内ブラウザシェアの90%以上が3rdパーティクッキーの制限対象となり、ブラウザにおける3rdパーティクッキーは実質的に終焉を迎えることになります。インターネット広告はもとより、デジタルマーケティングの根幹となるユーザー捕捉手法について、今後数年のうちに代替となる環境や基盤を整備することが重要な課題ですが、広告主・媒体社ともに国内事業者はポストクッキー戦略や具体的な取り組みを進められていないのが現状です。

 この日本国内における課題を解決すべく、DACはLiveRamp社のセキュリティが担保された確定ID(RampID)をハブとするソリューションを提供しています。これにより企業におけるデータ活用環境構築のコスト削減やデータ量確保のリスク低減につなげていくことが可能となります。

LiveRamp Safe Haven概要

LiveRamp Safe Havenは、プライバシー保護と1stパーティーデータ価値最⼤化の両⽴を実現するデータコラボレーションプラットフォームです。確定情報をベースとして生成されるRampIDを用いて、データ連携をすることで様々な利活用が可能となっています。

RampIDとは、会員データ・購買データなど個人を特定できるデータを非可逆にハッシュ処理し、さらに独自アルゴリズムで変換することで生成されます。推計による仮想IDではなく、確定データによる固有IDを生成して利用できる点が特徴です。この処理により生成されたRampIDは、万が一外部に漏洩した場合にも元の個人ユーザーを識別することができない一方、確定データをベースとしているため高い精度でのユーザーを捉えることが可能です。

現在、主に欧米を中心に小売企業やメーカー等の企業間でのデータ連携などに活用されていますが、国内でもRampID数は3,300万IDを超え(※2024年3月現在)、普及が広まっています。

※ポストクッキー対策における共通IDソリューション・並びにLiveRamp社が提供するRampIDについては下記ブログ(連載全5回)にて詳細を解説しています。併せてぜひご覧ください。
第1回記事はこちら:https://solutions.dac.co.jp/blog/what-is-a-cookie 

 

LiveRamp Safe Havenができること

セキュリティが担保されたデータエクスチェンジ環境

LiveRamp Safe Havenは、前述の固有IDとしてのRampIDを用いて、LiveRamp Safe Haven導入企業間でのデータエクスチェンジおよびデータクリーンルームとして活用できるソリューションです。

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顧客データ管理に用いる「RampID」は企業毎に固有のものであり、第三者がユーザーを識別することは出来ません。マッピングのアルゴリズムを提供するLiveRamp社も変換処理をしているだけで、個人情報やマッピングテーブルを保持することはありません。

しかし、LiveRampソリューションは多重にハッシュ化の処理を行うことにより技術的に安全なデータエクスチェンジを担保しているものの、ID生成前の元データがメールアドレス等の確定データであるという性質上、国内ではユーザー同意取得を基本的な前提としています。

※DACではプライバシーポリシーの改正に伴うコンサルティングサービスを提供しています。
 お気軽にご相談ください。

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LiveRamp Safe Havenの実際の活用

ここでは、LiveRamp Safe Havenの実際の活用例について3つご紹介します。

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活用例①:データの販売によるマネタイズ

自社で取得している1stパーティーデータを外部企業に販売することでデータ利用料を取得するマネタイズモデルです。データオーナーが設定した権限に基づくツールアクセス管理・データ活用が可能なため、事前に承認されたパートナー企業間でのデータコラボレーションを提供できます。


活用例②:外部配信などの新規広告商品開発

データの活用先の設定を行うことで、LiveRamp Safe Havenと外部のプラットフォーマーやDSP・SSPとの接続が可能なため、自社で管理しているユニークなユーザーデータをセグメント化し広告配信に活用することが可能です。

活用例③:自社ユーザーの情報のリッチ化

自社で取得している1stパーティーデータと外部データパートナーの1stパーティデータをセキュアに掛け合わせ、自社のみでは把握しきれていない属性情報を補足し、データをリッチ化することが可能となります。これにより、より深いカスタマーインサイトを導き出し、CRM施策の高度化などに活用することができます。

いずれにしても、プライバシーを重視したRampIDベースの環境でオーディエンスを作成・管理・拡張できる点が特徴です。

 

LiveRamp Safe Havenの連携先

DSP・SSP

DACがLiveRamp社を最適な事業者として選定している理由の一つに日本市場においてもサービスを展開する広告プラットフォーム各社が、既にLiveRamp「RampID」での取引を受け付けていることが挙げられます。
また、DACが提供するサービス各種では、RampIDベースでの取引が可能です。

  • YeiledOne®(SSP)
  • FlexOne®(アドサーバー)
  • WISE Ads(DSP)※2024年春目途に開発完了予定


※WISE Ads(ワイズ・アズ)は、ポストクッキー時代でも活用が可能なあらゆるデータを起点として、デジタル配信可能な全てのタッチポイントに広告配信ができるサービスです。詳細については以下を合わせてご確認ください。

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「The Trade Desk」「UNIVERSE Ads」「Criteo」などのDSPにおいてはDAC内での配信環境が既に整っています。また、その他にも大手DSP・SSP事業者にてLiveRamp社との接続を受け付けています。

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プラットフォーマー

LiveRampソリューションは欧米を中心に既に活用が進んでいますが、日本国内においても大手プラットフォーマーの接続準備が進み、RampID配信のさらなる拡張性が期待されています。

現在、日本国内においては、Google(PAIR-ID)、Amazon、TikTok、Pinterestでの配信が可能です。

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※1:PAIR‐IDについて:Google PAIR(Publisher Advertiser Identity Reconciliation)という外部データ連携の仕組みを通じて、LiveRamp Safe Havenが Google 内データクリーンルームとの連携が可能となっています。Google 広告ソリューションやデータクリーンルーム「Ads Data Hub」における顧客データ連携に際して「RampID」を利用することが可能です。しかし、現在日本国内においては、PAIR‐IDの Google 内在庫がRampID配信の対象外のため、今後利用が拡大していくものと考えられています。

※2:Metaについて:AA(Advanced Analytics)を利用したLiveRampデータの連携は可能ですが、RampIDは未対応となっています。また、USではCAPI(コンバージョンAPI)のRampID対応済みとなっており、国内は現在調整中です。

 

プラットフォーマー各社はそれぞれ自社のデータクリーンルーム(DCR)機能を保有していますが、LiveRampは各データクリーンルームを横断的に統合して分析が可能なソリューションを提供するHabuを買収したことを発表(※3)しました。これにより、LiveRampはさらなるDCR機能の拡充が期待されています。

※3:日本国内市場での導入は準備中

 

DACが提供できるデータセット

現在、DACの持つLiveRamp Safe Haven環境にてデータコラボレーションが可能なデータソースを2つご紹介します。これらのデータセットはWISE Adsの配信に利用可能です。LiveRamp(確定ID)データを利用することで、クッキー/RDIDで捕捉できないユーザーに対してもアプローチが可能となり、ターゲットユーザーへのリーチ補完を実現可能です。


名刺アプリEight(Sansan)

Eightはタッチ名刺交換と名刺管理で、これまで培ってきた人脈を活かしたビジネス機会を創出する名刺アプリです。2012年の提供開始以来、330万人を超えるユーザーに利用されています。ユーザーが⾃⾝の名刺をプロフィールとして登録するため、確かな情報に裏付けされたBtoBセグメントデータを保有しています。

Eightユーザーの登録情報・企業情報・名刺情報など、BtoB案件にご活用いただける様々なセグメントが利用可能です。広告配信においては、部署や業種、職位といった様々な切り口でターゲティングにご活用いただけます。

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※「Eight」データに関しては、DACの提供するWISE Ads上でもデータが利用可能です。

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ドリームメール(ユナイテッドマーケティングテクノロジーズ

ドリームメールは25周年を迎える無料プレゼントサイトです。30歳以上の大人世代のユーザーを約123万人保有しており、原則ノンインセンティブで会員獲得しているためユーザーの不正登録が少なく、登録情報も精度が高いのが特長です。ユーザーのデモグラ情報に加えて、登録時に回答した免許や喫煙習慣の有無、様々な趣味嗜好などのセグメントをご利用いただけます。

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まとめ

今回ご紹介したLiveRamp Safe Havenは、今後のクッキーレス時代において有効なデータコラボレーションプラットフォームです。従来、クッキーやモバイルデバイスID等を利用してデータの分析やターゲティング広告を行っていた企業は有用な代替手段を検討するフェーズにあります。クッキーレス時代においても、広告主はデジタル広告に対し、従来のマス広告比較での相対的透明性・メジャメント精度の高さ・それらにより担保される分析可用性を求めることに変わりはありません。

現状のデータ活用施策の構造は、ユーザーデータを活用した高精度プランニングの実行はプラットフォームに集中しており、プラットフォーマー以外は企業の持つ1stパーティーデータの活用を実質受け付けていない状態にあります。

しかし、DACはLiveRamp社の提供するRampID等の共通IDプラットフォームを介し、様々な事業者が自社1stパーティデータをセキュアな共通IDに変換して流通性・拡張性を高め、多くの事業者が広告やデータビジネスに活用できる国内市場の成立を目指しています。

LiveRamp_SH_06DACは、LiveRampのID生成技術を基盤に国内有数のメディア企業やデータホルダー企業の情報を連携を進めています。ポストクッキー環境下でも持続可能、かつ 国内市場に於いて海外デジタルプラットフォーマーと対等に市場を牽引できる新たな生活者ID基盤を構築します。ご興味のある方はぜひこちらからお問い合わせください。

また、本記事で取り上げているLiveRampソリューションは、こちらの資料でも紹介しています。ぜひ合わせてご活用ください。

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この記事の執筆者

渡邊 彩未

DACへ新卒で入社。バーティカルメディア・DSP/ADNW事業者の向き合いとしてセールスに携わる。2023年度より現部署にて媒体社向けのソリューションコンサルティングとともに、LiveRampを中心に共通IDの提案・活用支援を担当。

DACへ新卒で入社。バーティカルメディア・DSP/ADN...

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