AudienceOne®︎ ✕ ID5 で何が変わる?ポストクッキーを待たずに、今やるべきこととは?【セミナーレポート】

 2023.06.14  秋田 祥

プライバシー保護の観点から3rdパーティクッキーの規制が進むApple/iOSに加え、2024年にはGoogle/Chromeでも規制が開始されることで、国内ブラウザシェアの約80%(モバイルに限定すれば約95%)が3rdパーティクッキーの制限対象となります。

こうした状況に合わせ、様々なポストクッキーソリューションが登場している一方で、なかなか導入や活用に踏み出せていない、という声をよく聞きます。
特に運用型広告の領域では、クッキーに依存せずにIDを生成する「共通ID」が取引において活用できるよう広まっており、ポストクッキー対応が可能な配信環境は整いつつあるなか、施策実行まで行われていないのが実態です。

そこで、DACはPivot株式会社(Globaliveグループ)と共に、3rd パーティクッキー規制、共通IDの利用状況の実態、そして現在の温度感などを整理しつつ、「AudienceOne®」✕「ID5」でこれからいったい何ができるのか、そして何をするべきなのかについて解説するセミナーをオフラインで開催しました。遠方の方含め、当日ご来場が難しかった方も多くいらっしゃいましたので、今回はセミナーでお届けした内容をダイジェストでレポートさせて頂きます。

また、以下よりセミナーの登壇資料もダウンロードいただけます。
合わせてご活用ください。
セミナー登壇資料 「AudienceOne︎」✕「ID5」で何が変わる? ポストクッキーを待たずに、今やるべきこととは? ご紹介資料

ポストクッキーの実態

最初にPivot株式会社(Globaliveグループ)の池田氏より、現在のポストクッキーの実態について解説がありました。

Pivot池田:
このセミナー会場でAndroidスマホをご利用の方はどれくらいいらっしゃいますか?

会場にいる参加者の内、挙手したのは1割程度の方でした。

Pivot池田:
このおり、セミナー会場にいらっしゃる方々のほとんどがiPhoneを利用しているように日本においてはiPhone利用者の比率が非常に高いです。

iPhone利用者が多いことが、デジタルマーケティングへ与えている影響について、以下のように語ります。

Pivot池田:
"StatCounter"というモバイルブラウザの利用率を調査しているサイトによると、2023年2月時点のiPhoneのSafariブラウザの利用率は62.75%です。つまり、最低でも60%以上の方がiPhoneを使っていると考えて良いでしょう。さらに言うと、生活者のうち購買力が高い層は、もっと多い割合でiPhoneを利用していると考えるのが自然です。

Safariにおける3rdパーティークッキーの利用はITPにより既に制限されており、他の制限されているブラウザを合計すると約70%が制限されています。つまり、モバイルのオープンWeb領域では、既に現時点において、3rdパーティークッキーが利用可能であるたった30%の中でデジタルマーケティングを行っていると考えることもできるのです。

Pivot×DACセミナーレポート1-1


こうした3rdパーティクッキーの規制が行われている背景について、説明を続けます。

Pivot池田:
3rdパーティクッキーの制限は生活者のプライバシー保護を重要視し、全ての事業者がよりデータの取り扱いを正しく行なっていく世界になるために行われております。
生活者にデータ提供の選択肢やコントロール権を与え、きちんとメリットを提供できるような世界を目指します。既に海外ではオプトイン(許諾方式)が主流になってきており、今後よりこの潮流は強くなっていくことが見込まれます。とても正しく重要な流れです。なお、ID5の調査によるとGDPR配下の欧州ではサイト上のオプトイン率は 90%と非常に高い同意率となっているそうです。


こうした潮流を踏まえた上で、共通IDソリューションの役割について語ります。

Pivot池田:
共通IDソリューションは 3rd パーティクッキーの制限に対する代替手段ではなく、より良くデータ活用を行うための手段として検討すべきです。
デジタルマーケティングに携わる我々が制限された理由の本質を認識していないと、また同じような制限がされるでしょう。その中で、ID5 は各国のプライバシールールに準拠した世界でも最も利用されているIDソリューションです。ID5 を利用することで、3rd パーティクッキーの影響を最小限に抑え、プライバシー保護に準拠した形でデジタルマーケティングでの利用が可能になります。

Pivot×DACセミナーレポート2-1

 

「AudienceOne®」✕「ID5」によって変わること

次の章では、DAC 秋田がポストクッキー時代に向けた共通IDソリューション「AudienceOne ID®」について紹介しました。ID5との連携によって、どのようなことが実現可能になるのか、解説しています。

DAC秋田:
DACでは2021年より、来たるポストクッキー 時代に向けて開発を進めており、AudienceOne ID®は3rdパーティクッキーに依存しない共通IDソリューションとして開発されました。

このAudienceOne ID®の特徴は大きく3つあります。まず、3rdパーティクッキーに依存しないユーザー判定であること。そして、3rdパーティデータによってユーザーの可視化ができること。最後に、導入が非常に簡単であることです。特に3rdパーティクッキーに依存しないユーザー判定によって、Safariにおけるユーザー判定は従来の10倍ほどになっています。

Pivot×DACセミナーレポート3-1


DAC秋田:
このAudienceOne ID®を、よりマーケティングで活用できる共通IDソリューションとして強化するため、この度ID5との連携を行いました。すでにID5が連携している多くのDSP/SSPにおいて、AudienceOne ID®で畜積されているデータを用いた広告配信が可能になります。

Pivot×DACセミナーレポート4

 

今やるべきこととは

ここまでポストクッキーの実態と、ポストクッキー時代に向けた共通IDソリューションを紹介してきました。

最後のパートでは、何から手をつければいいのか、何をすべきなのか、パネルディスカッションを通じて、各プライヤー視点から議論しました。

Pivot×DACセミナーレポート5


お題①
ポストクッキーへの準備はすでにやっているか

Pivot池田:
サプライ側はすでに共通IDソリューション導入は進んでおります。一方で、デマンド側の対応はどうなのでしょうか。

博報堂テクノロジーズ(以下 博報堂TC)片岡:
デマンド側でも関心はすごく高いテーマではないかと思います。一方で広告配信などは、ウォールドガーデンを中心とした活用に偏よりがちなところもあるのではないでしょうか。本テーマの影響度が高いオープンWebへの対応は、これからどのように適切に対応していくのがよいのか、効果がでる方法はなにか、という温度感になっているのではないかと思っています。

Pivot天野:
デマンド側としては、導入には見合った成果を求めています。例えばすごく安く獲得が出来たとかの事例がないとなかなか動き出さない、ということが過去の流れから想定されます。

ポストクッキーへの準備は、サプライ側ではすでにある程度進んでいる一方で、デマンド側では関心はありつつも対応はこれから、というような状況が見受けられました。

お題②
広告はウォールドガーデンで十分なのか、オープンWebでの重要性はどう感じているか

DAC秋田:
実際、広告の大半がウォールドガーデンでの広告配信になっている状況だと思います。一方でウォールドガーデンへの依存度が高すぎると、自分たちでマーケティング戦略をコントロールできなくなります。
その点、オープンWebの配信事業者は柔軟性が高いです。そのため、ウォールドガーデンの方針に寄り添っていくのか、ある程度自分等でコントロールできる領域を確保するのか、戦略性をもって配信するプラットフォーム等を検討することが重要だと思います。

Pivot天野:
日本の広告費の傾向を見ると、検索広告が伸びています。これはユーザーがオープンWebで行動している結果だと思うので、オープンWeb上でのマーケティングも重要だと考えています。

マーケティング戦略をコントロールできる領域を確保するという観点や、検索広告が伸びている状況を鑑みて、オープンWebでのマーケティングを検討する必要もあるようです。

Pivot×DACセミナーレポート6


お題③
日本はiPhoneユーザーが多いのに、Android中心のデジタルマーケティングをどう思うか

博報堂TC片岡:
言わずもがなですが、デジタルマーケティングでは、実施した施策を適切に計測できることが、運用の観点からも非常に重要となるため、現状はターゲティングや計測が行いやすいAndroidが活用の中心になっているのではないかと思います。ただし、ID5のようにiPhoneユーザーを対象とした効果計測なども可能になっていくのであれば、iPhoneユーザーを対象としたデジタルマーケティングも変わってくると思います。

Pivot天野:
先行して行うことも重要だと思っています。iPhoneユーザーへの配信は基本出来ていないということは、逆に言うと安く配信できる土壌であると考えられます。そのため、早めにやることで先行利益はあると思っています。

現状は効果計測が行いやすいという観点でAndroid中心のデジタルマーケティングになっている一方で、多くの企業が出来ていないiPhoneユーザーへの配信に取り組むことで、先行利益がある領域との見解でした。

 

お題④ ポストクッキーを待たずに、いまやるべきこととは 

DAC秋田:
やはりすでにSafariユーザー等へアプローチ出来ていないことは、今向き合うべき課題としてあると思います。
まずはSafariユーザー対策として共通IDソリューションを使いながら効果等を見定めつつ、Google/Chromeの規制が開始される2024年の対応を検討していくことが大事だと思います。

2024年になるまでに対応を完了するのではなく、すでに顕在化している課題に向き合いつつ、準備を進めることが重要だと語られました。

 

おわりに

今回はPivot株式会社とDACで開催したセミナーレポートとして、「すでに起きているiOSへの対応」「ウォールドガーデンとオープンWebの広告戦略をどのように考えるか」「より良いデータ活用を行うための共通ID」についてご紹介しました。

過渡期を迎えるデジタルマーケティングにおいて、持続可能なマーケティング活動を行っていく上で、共通IDソリューションの活用は重要になっていきます。共通IDソリューションの活用に興味がある方はこちらよりお問い合わせください。

セミナーにて投影していた資料や、AudienceOne ID®︎を詳しくご紹介している資料は以下よりダウンロードいただけます。
ぜひダウンロードのうえご活用ください。
セミナー登壇資料 「AudienceOne︎」✕「ID5」で何が変わる? ポストクッキーを待たずに、今やるべきこととは? ご紹介資料

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この記事の執筆者

秋田 祥

2015年にDACへ新卒で入社。DAC入社後は自社DMPプロダクト「AudienceOne®️」のセールス・分析・運用を行う。主に分析・運用を担当し、顧客の課題に応じた分析→広告配信セグメントの設計を通じて、課題解決を実施。 2019年よりBI等などの領域を担当し、DACでのBIチーム立ち上げに携わる。2021年より「AudienceOne®️」担当に戻り、デジタルソリューション全体の導入・活用支援を担当。

2015年にDACへ新卒で入社。DAC入社後は自社DMP...

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