まずは概要を知りたい!テレビ視聴ログデータのマーケティング施策における活用

 2021.09.17  デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

 「テレビを見ていない若者たちにデジタル広告で訴求がしたい」「テレビのスポットCMのコの字時間帯にテレビを見ている人にデジタル広告を配信できたら…」「自社の製品を買ってくれる顧客は、どのような時間帯にテレビを見ているのか分析したい」
このような検討をされたことはありませんか。

もしくは、
「やりたいと思いながらも誰に何をどこから相談して手を付ければよいのかわからない」
と悩まれたことはありませんか。

 本記事では、デジタル施策で活用できるテレビ視聴ログデータとはどのようなデータかを解説し、活用イメージについて触れていきます。

デジタル施策で活用できるテレビ視聴ログデータとは~仕組みと注目の背景~

テレビ視聴ログデータの仕組み

 ここでご紹介するテレビログ視聴データとは、デジタル施策に活用するためDAC提携パートナーであるいくつかの国内テレビメーカーから提供されている、インターネット結線テレビ(コネクテッドTV)の視聴ログデータを指します。

テレビメーカーは、インターネットに接続されている数百万台のテレビから、どのテレビで「いつ」「どの放送局の」「どの番組が」が視聴されたのかというデータを収集することができ(※1)、それらを個人を特定しない匿名データとしてDACの保有するDMP「AudienceOne®」に連携することで、デジタル施策にデータを活用することを可能にしています。この『テレビ視聴ログデータ』は、ウェブサイトの閲覧データといったオンライン上のユーザー行動データと統合することにより、テレビメディアとデジタルメディアを横断した視聴・閲覧傾向の分析や、広告配信のターゲティングセグメントとして様々に活用されています。

 『AudienceOne®』は、膨大なオンライン行動データ(3rdパーティデータ)と、多様なデータパートナーから提供された専門領域データ(2ndパーティデータ)を保有するDMPです。研究機関との共同開発や特許取得技術により向上した推計技術がもたらす高品質な『AudienceOne®』のデータとテレビ視聴ログデータが連携されることで、精度の高い分析や広告配信ターゲティングを実現しています。

テレビ視聴ログデータの仕組み

 

テレビ視聴ログデータ注目の背景

 昨今、テレビとデジタル広告をかけ合わせたメディアプランニング効果測定が急速に重視されており、各社が鎬を削って研究と推進をしています。これまでテレビCMの効果を細かく正確に数値化し測定することができませんでしたが、テレビCM接触後のインターネット上のユーザー行動を追うような手法が発案されたり、インターネットに対応したテレビが普及し技術的なテレビのデジタル化が進んだりすることにより、テレビとデジタルの“融合”が進み、テレビCM単体の効果もデジタル施策との相乗効果も計測できることが当たり前になりつつあります。このような概況の中で、テレビ視聴ログデータを活用した分析や広告配信にも更なる注目が集まり、大いなる期待が寄せられています。

※1 利用するデータは、ユーザーから許諾の取れたものになります。

テレビ視聴ログデータのマーケティング施策活用イメージ

 テレビ視聴ログデータは、どのように活用することができるのでしょうか。
データの活用用途と目的別に、活用のイメージを4つ列挙します。

(1)テレビCM・デジタル広告の出稿プランニングの最適化を目的とした分析:テレビCM・デジタル広告間の最適な出稿配分
 通常テレビの視聴率を試算するのに1ヶ月程時間を要しますが、テレビ視聴ログデータであれば、テレビCMの接触状況を数日程度の時間差でモニタリングできるため、視聴割合の算出までの必要時間を大幅に短縮することができます。よって、従来と比較し短いスパンでテレビCM出稿のPDCAを回すことができ、必要に応じたデジタル広告への予算投下も効果的に行うことができます。
 モニタリングしたデータを基に投下したデジタル広告の配信で、ターゲットへの訴求リーチを補完することに繋がります。
 今後は、デジタルの運用型広告と同様の考え方で、テレビCMも含めたメディアプランニングと運用が主流になっていく未来があるかもしれません。

(2)テレビCMの効果測定を目的とした分析:テレビCM接触者のウェブサイト来訪割合の算出
 テレビ視聴ログデータが連携している『AudienceOne®』のタグをサイトに設置しておくことで、該当CMの接触ユーザーがどの程度ウェブサイトに来訪していたかを計測することが可能です。

テレビCM接触者のウェブサイト来訪割合の算出


(3)テレビCMのリーチ補完を目的としたデジタル広告配信:ローテレ層へのブランディング訴求

 テレビをあまり見ない層(ローテレ層)に対し、ブランド想起を促すような動画を配信することで、テレビCMだけではリーチできない層へのアプローチを補うことが可能です。『AudienceOne®』の保有する性年齢のデータをかけ合わせたり、各広告配信プラットフォームの特性を生かしたりすることで、例えば若年層に絞ったターゲティングをすることもできます。

〈広告配信プランニングパターン案A〉
テレビ視聴ログデータのローテレ層×『AudienceOne®』データの若年層→幅広い年齢層を捉えるプラットフォームへ連携

ローテレ層へのブランディング訴求

〈広告配信プランニングパターン案B〉
テレビ視聴ログデータのローテレ層→若年層を捉えるプラットフォームへ連携し広告配信

ローテレ層へのブランディング訴求


⑷テレビCMの訴求力補完を目的としたデジタル広告配信:ハイテレ層×キャンペーン訴求

 テレビをよく見る層(ハイテレ層)に、キャンペーン告知のような短期集中型の訴求で、静止画クリエイティブの広告配信をすることで、1人当たりのユーザーが広告を視認する頻度向上が見込まれ、ランディングページへの遷移による理解促進を促し、告知力を強化することが可能です。デジタル広告の配信については、各広告配信プラットフォームの時間帯配信機能(※2)を利用し、テレビCMを放送していない時間に絞ることも可能です。

ハイテレ層×キャンペーン訴求

※2 一部の広告配信プラットフォームでは、時間帯の指定ができない場合がございます。
 ご利用の際には、各プラットフォームの機能仕様をご確認ください。

 

まとめ

 本記事のポイントは、下記です。

✓ここで紹介しているテレビ視聴ログデータは、デジタル施策に活用するために国内テレビメーカーから提供されている、インターネット結線テレビ(コネクテッドTV)の視聴ログデータのことを指す

✓テレビ視聴ログデータがDMP『AudienceOne®』に連携されたことで、より高精度な分析や広告配信ターゲティングが実現

✓テレビ視聴ログデータの活用イメージを4つご紹介
 ⑴テレビCM・デジタル広告の出稿プランニングの最適化を目的とした分析テレビCM・デジタル広告間の最適な出稿配分
 ⑵テレビCMの効果測定を目的とした分析:テレビCM接触者のウェブサイト来訪割合
 ⑶テレビCMのリーチ補完を目的としたデジタル広告配信:ローテレ層へのブランディング訴求
 ⑷テレビCMの訴求力補完を目的としたデジタル広告配信:ハイテレ層×キャンペーン訴求

 ご興味をお持ちいただけた活用イメージはありましたでしょうか。
イメージに合った方も、その他の活用イメージを模索されたい方も、お気軽に下記よりご相談ください。
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