【2023年版】ダイナミック広告とは?特徴や導入方法を解説

 2023.10.03  荒井 まり奈

普段、ネットショッピングをすると、オンラインサイトで様々な商品を閲覧した後に、あらゆるサイトやアプリ上で、過去に見覚えのある商品や類似した商品の広告が表示される経験は、もはや日常的になっているのではないでしょうか。
それぞれの人に対し、オンラインサイトの閲覧履歴に基づいたレコメンド配信をする広告のことを「ダイナミック広告」といいます。
ダイナミック広告は、多くの企業が取り入れているダイレクトレスポンス型の広告手法のひとつです。

本記事では、ダイナミック広告の特徴から、導入方法、効果最大化のためのポイントについて解説します。

関連ブログはこちら

Criteo=リタゲ?Criteo 広告の特長を理解し、最大限に活用する方法 - 基本編
Criteo広告開始のフローは?データフィードとタグを理解!

 

ダイナミック広告とは

ダイナミック広告は、通常のディスプレイ広告と異なり、サイト利用者のサイト内行動に合わせて、自動的に親和性の高い商品を訴求する広告手法です。

固定のクリエイティブを表示するのではなく、サイト利用者の閲覧情報を元にサイト利用者に親和性の高い商品をレコメンドする広告クリエイティブを配信します。同じ広告枠でも広告を閲覧する人によって異なるクリエイティブがダイナミック、つまり動的に表示されます。 

ダイナミック広告とは?

では、ダイナミック広告はどのような仕組みで配信されるのでしょうか。まず、サイト利用者がサイト内でどんな商品を見て、いくら購入したかといった回遊データをサイトに埋め込まれた「タグ」で取得します。その回遊データを元に各媒体のアルゴリズムに応じて、広告配信上でレコメンドすべき商品のIDがピックアップされます。それに応じて、予め連携された商品カタログ(データフィード)から、商品名・説明文・画像・金額といった要素を組み合わせ、クリエイティブを自動生成します。 

ダイナミック広告の仕組み

クリエイティブの自動生成という特徴からダイナミック広告は、商品のアイテム数が多く、情報の更新頻度が高いサービス・商品を取り扱う業界でよく利用されています。 

ダイナミック広告のおすすめポイント

さっそく、ダイナミック広告をおすすめするポイントを解説します。

 

Point1:通常のディスプレイ広告と比較して、CTR・CVRが高い

前段と重複しますが、ダイナミック広告ではサイト利用者のサイト内行動=その人の趣向性に合わせて、親和性の高い商品を訴求する、最適なクリエイティブを表示させます。
また、広告からサイトの商品ページにそのままアクセスできるので、余計なページ回遊をせず直接購入に繋げることが可能です。
どんな人にも一定条件を基に同一のクリエイティブを配信する通常のディスプレイ広告と比較して、サイト誘導率(CTR)や購入率(CVR)が高い傾向にあります。

blog_dynamic_1

 

Point2:潜在層に対して商品をレコメンドし、サイト利用者をスケールできる

ダイナミック広告は、もともとはサイトの行動履歴を元にしたリターゲティング配信がメインでしたが、サイト訪問者データを拡張することで、新規顧客の集客にも活用できます。
自社のサイトやブランドを認知していないものの、ブランド・商品と親和性が高いと考えられる人に対して、商品をレコメンドすることが可能です。
(このような配信を「プロスペクティング配信」といいます。)

 

Point3:クリエイティブの自動生成によるパフォーマンス最大化と工数削減

ダイナミック広告は「データフィード」という商品データベースを構築することで、商品を訴求したクリエイティブを自動生成します。
通常のディスプレイ広告では、クリエイティブの摩耗を防ぐために、定期的なクリエイティブ差し替えが必要となりますが、そのような手間を省いたうえで高パフォーマンスを享受できます。

 

ダイナミック広告を配信できる媒体ラインナップ

ダイナミック広告は配信方法によって大きく2つに分けられます。

ディスプレイ/ネットワーク型

ディスプレイ/ネットワーク型はリーチとパフォーマンスを重視した配信方法です。

blog_dynamic_2

媒体が連携する多数のネットワークに配信されるため、広くリーチすることが可能です。
CriteoやRTB HOUSE等は、この手法で配信できるプラットフォームです。高度な機会学習を元に、購入意欲を高い人に対して、あらゆるサイトやアプリで商品をレコメンドすることから、パフォーマンス重視型といえます。

▼主要なプラットフォーム・媒体の特徴
※PF=プラットフォーム

PF名

メニュー名

特徴

Google

動的
リマーケティング

Googleが運営するGmailYouTube、食べログをはじめとした200万以上のwebサイトに広告が配信される。
また、ユーザーの行動履歴に加え、類似性が高い他のユーザーの情報を元に、興味関心が高そうな商品を配信できる。

Criteo

Criteo
ダイナミック
リターゲティング

Yahoo! JAPANの広告枠をはじめ、FacebookInstagram、その他サイトやアプリなど世界中の多数の広告ネットワークと提携し、優良な配信先を保有。
膨大なデータを活用した独自のアルゴリズムでユーザーの行動を解析し、ユーザーに最適な広告を配信することが可能。

Yahoo!

動的ディスプレイ広告

日本最大級の検索エンジンであるYahoo!JAPANのトップページやYahoo!ニュース、Yahoo!天気などの閲覧数の多い提携サイトで配信することで多くのユーザーにリーチすることが可能。

RTB HOUSE

ダイナミック
リターゲティング広告

ディープラーニング型の学習技術を用いて最適化された広告配信が可能。
来訪元や滞在時間、カートに入れる際の行動などの粒度の細かな情報を一元管理し、潜在的なユーザーを明確することでより適切な広告を配信することができる。

Logicad

ダイナミック

クリエイティブ

ソニーグループで培った技術をベースに高度な分析を可能とするアルゴズムと優秀なレコメンドエンジンを搭載しており、高精度なターゲティングを実現。

 

ソーシャル/インフィード型

ソーシャル/インフィード型はブランドやクリエイティブを重視した配信方法です。

blog_dynamic_3

アプリ内での配信がメインとなり、配信先や配信面が固定化されるため、クリエイティブの質が担保されます。
よって、商材と相性の良いプラットフォームを選ぶことがポイントです。
ディスプレイ/ネットワーク型と比較すると、パフォーマンスはやや落ちる傾向にありますが、ブランドを重視するケースにおすすめです。

▼主要なプラットフォーム・媒体の特徴
※PF=プラットフォーム

PF名

メニュー名

特徴

Meta

Meta

ダイナミック広告

国内だけで約6000万人の月間アクティブユーザーを持つ、FacebookやInstagramに配信することできる。
フォーマットに関して、シングル画像広告、カルーセル広告、ストーリーズ広告、コレクション広告といったさまざまな形式を提供。

LINE

LINE
ダイナミック広告

国内最大のSNS利用者数8,900万人を超えるユーザーにアプローチすることができる。
配信面が多く、ユーザーの年齢層も広いため他の媒体ではリーチできないような層にもアプローチし、新規顧客獲得に活用できる。

SmartNews

SmartNews
Dynamic Ads

ニュースアプリとして日本最大のユーザー数を誇るSmartNews内に、広告の配信が可能。
記事に自然に溶け込むネイティブ広告で配信可能。
バナー広告と比較して、より高いCTRやCVRを期待することができます。

 

 

ダイナミック広告の始め方

ダイナミック広告の概要をつかめたところで、ここからはダイナミック広告の導入の流れを解説します。
導入には、大きく3つのステップがあります。


ステップ1:媒体を選ぶ
ダイナミック広告の運用をはじめるには、まずどの媒体で配信を行うかを決める必要があります。
先述した媒体ごとの特徴を参考に、広告配信の目的と照らし合わせて考えましょう。目的やターゲットに合わせて適切な媒体を選択することで、ダイナミック広告の効果を高めることできます。

ステップ2:データフィードの実装
広告クリエイティブを自動で生成するためには、クリエイティブのもとになる商品データが必要です。
データフィードに商品情報をインプットすることで、ダイナミック広告で商品を訴求することができます。
データフィードの形式は、利用する出稿媒体によって異なります。
必要な情報とデータフィードのフォーマットは、それぞれの出稿媒体が指定する形式で入稿する必要があります。

ステップ3:タグの実装
ダイナミック広告は、ユーザーの行動履歴データを取得する必要があります。
どのページを閲覧したかなどの情報を収集するための動的タグをページに設置します。
タグを設置したページにユーザーが訪れると、閲覧履歴などの情報がデータベースに送られる仕組みです。
タグの仕様も、出稿媒体ごとに異なるため、利用する出稿媒体のタグ設置方法をしっかり確認しましょう。

データフィードとタグが正しく実装されることで、より購入意欲が高い人に、親和性の高い商品をレコメンドすることが可能となります。

 

データフィードコンサルティングサービスご紹介資料ダウンロード

 

ダイナミック広告のパフォーマンス最大化に重要なポイント

ダイナミック広告を配信する際、事前の準備も含め、注意すべきポイントがいくつかあります。

ユーザーに一目で商品が伝わるようデータフィードを作成する

広告枠の限られたスペース内でユーザーが広告を見た際にすぐに商品やサービスのことを認識できるようにすることが重要になります。
ダイナミック広告はクリエイティブを自動で作成できますが、データフィードの情報によっては効果が伸び悩む可能性もあります。
広告が表示される際、タイトルが途中で切れていたりすると商品の情報が伝わりづらく効果が下がってしまいます。商品タイトルがしっかり表示されるよう文字数に気を付けましょう。
商品画像についても同じことが言えます。例えば、アパレルの広告では商品画像だけではなく実際に着用した写真を使うことも効果的です。
データフィードの内容を整えることで、広告を見ただけでどのような商品かがイメージしやすくなりダイナミック広告の成果向上を狙うことができます。

ユーザーに一目で情報が伝わるようデータフィードを作成する

 

媒体のオプション機能を活用する

ユーザーの興味を惹くクリエイティブを作成することで、ユーザーの購買意欲を高めましょう。
媒体によっては、ダイナミック広告の商品画像の上に「アイコン画像」を表示させるクリエイティブのオプション機能が用意されています。
ダイナミック広告の商品画像の上に「〇〇%OFF」や「セール」といった文字が表示されているものを、目にされた事がある方は多いのではないでしょうか。
このようなオプション機能を利用することで商品情報を充実させクリエイティブを作成し、ユーザーの購買意欲を高めダイナミック広告の効果を上げることができます。

媒体のオプション機能を活用する

タグとデータフィードのマッチ率を80%以上に保つ

上記のポイントを意識してパフォーマンスアップを目指しても、そもそも広告が配信されなければ意味がありません。
正しくダイナミック広告が配信されるためにはタグで取得するIDと商品カタログのIDの一致率を確認する必要があります。
例えばデータフィードの商品IDを商品の色単位で作成していたとしても、タグで取得する商品IDが商品単位となっていた場合、商品IDが一致せず、ユーザーが閲覧していた商品を判断することができず、ダイナミック広告を配信することができません。

また、タグで取得した商品IDが商品カタログにない場合や在庫切れの場合も、広告配信すべき商品がなく、学習に悪影響をもたらします。
一致率が常に80%を上回るように、初期設計時にデータフィードとタグの連携を確認することおよび商品追加があったのはデータフィードを更新することが不可欠です。

blog_dynamic-ad_追加_1206

これらのポイントを疎かにするとダイナミック広告が配信できないあるいは、広告配信のパフォーマンスに影響を与えてしまいます。

「ダイナミック広告を実施しているけど、どうやってタグとデータフィードのメンテナンスをしたらいいの?自分たちでは、今の設計や状態の良し悪しが判断できない…!」

そのようなお悩みをお持ちの皆様、まずは「タグ&データフィード診断」を無料で試してみませんか?
ご希望の場合は、下記バナーよりお問い合わせください。

新規CTA

 

まとめ

今回は、ダイナミック広告の特徴や配信可能な媒体、配信するにあたって重要なポイントについて解説しました。
ダイナミック広告はそれぞれの人に最適な広告クリエイティブを自動生成できる効果的な広告手法です。

データフィードの設計・生成やタグの設置・管理について、初めてで何をすればいいかわからない、うまく設計ができない…などお困りの場合には、是非お声がけください。
DACでは、専門組織によるワンストップサービスを提供しており、皆さんがダイナミック広告を最適な状態で始めるお手伝いをさせていただいております!

データフィードコンサルティングサービスご紹介資料ダウンロード

 

<< 前ページ

 

関連URL

この記事の執筆者

荒井 まり奈

2019年にDACへ入社。GoogleやYahooを中心にダイレクト案件の広告運用を経験後、2020年~自社EC領域において、あらゆるプラットフォームを駆使したアクイジション施策のコンサルティングに従事。専門領域であるデータフィードやタグの設計から導入、運用改善までを支援。大規模な家具EC、ファッションEC、コスメECなどの対応実績からSNSを活用した施策提案に強みを持つ。

2019年にDACへ入社。GoogleやYahooを中心...

RELATED ARTICLES関連記事


CROSS COMMERCE Studioお問い合わせ
この記事が気に入ったらいいねしよう!