これまで3大ECモール「Amazon」と「楽天市場」について概要の解説を行ってきましたが、今回は「Yahoo!ショッピング」の概要を解説していきます。
Amazonと楽天市場と同様、Yahoo!JAPAN自体の特徴やユーザー規模、他のECと異なるYahoo!ショッピングならではの部分、広告施策に関しても触れていきます。
ぜひAmazon、楽天市場の記事と合わせてお読みいただき、3大ECモールへの理解を深めていきましょう。
Yahoo! JAPAN概要
ECモールYahoo!ショッピングについて解説する前に、まずYahoo! JAPANとはどのようなメディアなのかを解説します。
Yahoo!を一度も聞いたことがない、利用したことがないという方はほとんどいないでしょう。
一方で、Yahoo!が行っている事業の全体像を理解しているという人は多くないのではないでしょうか。
Yahoo! JAPANは、日本においてスマートフォンで7000万人、PCで1900万人を超えるユニークオーディエンス数を誇る日本最大級のインターネットメディアです。
検索エンジンだけではなく、Yahoo!カーナビ、Yahoo!天気・災害、Yahoo!ニュース、Yahoo!乗換案内、スポーツナビなど、幅広くサービスを展開しており、その数は約100種類です。
Y!経済圏データ
Yahoo! JAPANは前項で述べたように様々なサービスを展開していることで、自社グループ内で幅広く膨大な購買データを保有しており、これがYahoo! JAPANの強みとなっています。
代表的なデータとしては、「Yahoo! JAPAN購買データ」「CCC購買データ」「PayPay購買データ」の3つが挙げられます。
・「Yahoo! JAPAN購買データ」
Yahoo! ショッピングを中心としたYahoo! JAPAN内の興味関心。購買行動を基としたデータ。データボリュームは8,400万人(MAU)
・「CCC購買データ」
CCCデータ=Tポイント購買を基としたデータ。データボリュームは2,500万人(Y!×CCCの連携数)
・「PayPay購買データ」
国内ダントツ一位の決済手段PayPayを基としたユーザー・決済流通データ。データボリュームは5,000万人(PayPayユーザー数)
CCC(Tポイント)は登録ユーザーが6800万人にのぼる国内最大級のポイントサービスで、使える場所は全国に約94万店も存在します。
PayPayは2018年にサービスを開始し、登録ユーザーは5000万人、加盟店(使える場所)が366万カ所と非常に規模の大きなサービスとなってきています。
加えて、女性48%、男性52%と利用者の男女比の差がなく、年齢層においては30、40代を中心に幅広く利用されています。
このようにYahoo! JAPANは、オンラインデータ(Yahoo! JAPAN購買データ)、オフラインデータ(CCC購買データ、 PayPay購買データ)を共に蓄積しているところに特徴があります。
プラットフォームは無数に存在しますが、膨大な量のオフラインの購買データを保有しているプラットフォームは稀有であり、こうしたデータをマーケティング施策に活用できるのが、Yahoo! JAPANの大きな強みです。
近年のEC市場動向とYahoo!ショッピングの立ち位置
それでは、様々なサービスを提供するYahoo!の中でもEC事業であるYahoo!ショッピングに着目して解説します。
その前提として、国内のEC市場の状況を確認していきましょう。
富士経済の調査によると、2021年の国内通販市場の規模は14兆4645円、そのうちECが12兆6295億円と9割近くを占めています。
2022年は、さらなる通販市場・EC市場の成長も見込まれており、今後も注目すべき市場の一つです。
また、日本国内のEC市場流通総額ベースでは、ECモールが市場全体の50%を占めており、特に3大ECモールとされるAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングが寡占している状況です。
ECモール市場においては、日本国内流通総額の観点から見ると、1位は楽天(20.3%)、2位はAmazon(17.8%)、3位はYahoo!(4.6%)と、Yahoo!もECの中で存在感を放っています。
他の3大ECモール同様、マーケティング施策を行うには、売り場として十分な存在感・集客力があるECモールといえるでしょう。
「Yahoo!ショッピング」とは?
ここからは、Yahoo!ショッピングがどのような特徴を持つECモールなのかを解説していきます。
まず、Yahoo!ショッピングは、楽天市場、Amazonに続いて3番目に利用者数が多く、ニールセンデジタルが発表したECモールの利用状況によると、2288万人に利用されていることが分かっています。(2022年12月時点)
続いてYahoo!ショッピングならではの特徴を2つ解説していきます。
①個人と法人共に無料で出店可能
初期費用や、月額システム利用料などが無料のため、出店ハードルが低いという側面があります。
そのためYahoo!ショッピングは、ECモールの中でも商品数と出店数が非常に多くなっています。
②様々なサービスとの連携
Yahoo!ショッピングは、日本で最も利用されているYahoo! JAPANの各サービスの他、ソフトバンクやLINEからの集客、PayPayやPayPayカードなどの顧客基盤が強みです。
また、Yahoo! JAPAN内の検索から流入があることも特徴です。Yahoo! JAPANのトップページは、1日に10億以上のページビューがあると言われており、こうしたYahoo! JAPANの基盤や広告を活用して、Yahoo!ショッピング内の店舗に誘導することができます。
以上のように、Yahoo!ショッピングは出店のハードルが低く、ECモールとして集客力も高いため、マーケティング施策にぜひ活用していただきたい、おすすめのプラットフォームです。
また、Yahoo!ショッピングへの理解を深める上で押さえておきたいことは、2022年秋のPayPayモールとの統合です。
PayPayモールとは、2019年にヤフー株式会社が設立したショッピングサイトで、PayPay利用者向けに、高い基準を満たした店舗だけが出店できるプレミアモールという位置づけでした。しかし、Yahoo!ショッピングとPayPayモールでキャンペーン内容やポイント付与率が異なるケースがあり、よりシンプルな運用にするため、2022年10月12日にYahoo!ショッピングとPayPayモールの統合が行われました。
新生Yahoo!ショッピングには、以前のYahoo!ショッピングと異なる点が複数あるので、簡単にご紹介します。
まず1つ目は、毎日最大5%のPayPayポイントが貯まる新しい特典・キャンペーンを開始、2つ目は、優良ストアの基準が引き上げ、3つ目は、注文当日から翌々日までに商品を配送する「優良配送」が強化されることです。
その他にもシンプルなUIへの変更など、統合によりユーザーにとって毎日お得使いやすいECモールへとアップデートされました。
かつてのYahoo!ショッピングしか知らない方は、是非押さえておきましょう。
Yahoo!ショッピングへの出店
続いて、Yahoo!ショッピングへの出店について解説します。
これまで、Amazonと楽天市場についても解説を行ってきましたが、Yahoo!ショッピングの出店形式としては楽天市場と同じと考えると分かりやすいです。
楽天市場、Yahoo!ショッピングは、企業がモールに出店する形式をとっており、同じ商品であっても商品ページはそれぞれ店舗ごとにあります。
その一方、Amazonは各企業がAmazon内に出品する形式をとっており、同じ商品であれば、商品ページは1つだけとなります。
Amazon概要の解説記事でも記載しましたが、楽天市場とYahoo!ショッピングは、個々の店舗がそれぞれ販売している「商店街」、Amazonは莫大な商品数と種類を誇る「スーパーマーケット」と想像いただくと分かりやすいのではないでしょうか。
また、前項でも少し触れましたが、Yahoo!ショッピングは法人、個人問わず出店が可能です。
Yahoo!ショッピング広告概要
最後にYahoo!ショッピングで売上を伸ばすために活用したいマーケティング施策として、知っておきたいYahoo!広告各種を紹介します。
・Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)
Yahoo!の自社サービスサイトを中心として様々な出面にバナー広告や動画広告などを掲載します。Yahooショッピング外に配信できるという特徴から、以降に紹介するメニューよりもアッパーファネル向けのメニューです。。
・Yahoo!運用型コマース広告(YCA)
Yahoo!ショッピング内にバナー広告、動画広告などを掲載することができます。
・アイテムマッチ
Yahoo!ショッピング内でオーガニック掲載の商品と同様のフォーマットで広告を掲載します。
・ショッピングブランドサーチアド
Yahoo!ショッピング内にバナー広告を掲載します。ブランド訴求に向いている広告プロダクトです。
上記の各種広告プロダクトについては、今後の記事で詳しく解説しますので、お楽しみに!
おわりに
今回は3大ECモールに含まれるYahoo!ショッピングの概要について解説しました。これでAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングすべての概要解説が一通り終わりましたが、3大ECモールについて理解を深めていただけましたでしょうか。
3つとも単なるECモールではなく、メディアとしても捉えることができたり、独自の経済圏に属していたりと、個性的で奥深いことを知っていただけたと思います。
出店形式やECモールとしての強みも異なるため、3大ECモールの違いをおさらいしたくなった際には、本記事を含めたECモール概要解説の記事に戻ってきていただけますと嬉しい限りです。
DACでは、Amazonを始めとするECモールの活用や、オウンドサイトの活用など、Eコマースにおけるマーケティング施策に関するご相談をお待ちしております。
是非、お問い合わせください。