【楽天基本編】楽天市場内の広告商品を解説!

 2023.07.03  相原 快人

前回の記事では、楽天市場というECモールの概要や特徴などを解説してきました。
本記事では、楽天市場内の広告の中でも、楽天市場での売上を上げるために最も重要な
運用型広告メニューを解説していきます。
「楽天市場に出品したけれど、自社商品が全く売れないまたは見つからない!」
といった悩みを一緒に解決していきましょう。

 

ズバリ!楽天市場で売上を上げるポイント

楽天グループ概要

楽天市場内での売上を上げるために最も重要となるのが、新規顧客の獲得です。
そして新規顧客の獲得には、ユーザーに商品を発見してもらう必要があります。
では実際に楽天市場でどのようなアクションを取ればいいのでしょうか?

初めに現在のECモールの利用目的の変化、楽天市場を訪れるユーザー特性を説明することで見えてくるポイントとアクションを解説していきます。

現在、楽天市場を含む大手ECモールは、”欲しいものを買う指名買いの場”として利用されるだけでなく、”商品を探す/比較検討する場”として利用されることが多くなってきています。

楽天2-1

楽天市場は大手ECモールの中でも、特にユーザーの回遊率が高いのが特徴です。
つまり回遊しているユーザーに対して、いかに商品を発見してもうらかということが、売り上げ拡大のポイントとなります。

そこで楽天市場内広告を活用すると、楽天市場トップページや検索結果ページ、イベントページなどユーザーの目に多く留まる様々な掲載枠に広告を配信することができます。

楽天2-2

ここからは楽天市場ユーザーの購入経路ごとにアプローチできる施策を紹介し、広告メニューの解説へと進んでいきます。

ユーザーの購入までの導線
【概要】
1.検索窓から欲しい商品名を検索→希望の商品を見つけて購入(指名買いユーザー)

2.検索窓から気になっているカテゴリーキーワードを検索(水、冷蔵庫など)→検索結果ページで様々商品を見比べて購入(購入に能動的な検討段階のユーザー)

3.楽天市場トップページやランキングなどのページ内から気になる商品を購入(回遊ユーザー)

【詳細】
1.指名買いユーザーに対しては、後述のRPP広告やRSE広告などで検索結果ページの掲載枠トップに商品を露出することで、守りの戦略として競合商品への転換を防ぎ、自社指名のユーザーからのCVを逃さないことが重要です。

2.検討段階のユーザーに対しては、攻めの戦略としてのRPP広告やRSE広告で自社商品の該当するカテゴリーキーワードが検索された際に商品を露出させることや、後述のRMP-Showroom、RMP-Brand Gatewayでブランドイメージによる差別化を図っていくことが重要です。

3.回遊ユーザーに対しては、上記2つの広告に加えて後述のクーポンアドバンス広告やTDA広告、CPA広告を使用して、楽天のトップページやイベントページなど様々な掲載枠でユーザーとのタッチポイントを作り認知から購入へ繋げていくことが重要となります。

楽天市場の広告の特徴を知ることで、ユーザーに対して効果的にアプローチすることができます。

では具体的にどのような広告があり、どのような特徴を持っているのかメリット、デメリットや注意点を交えて解説していきます。

 

 

楽天市場広告の種類

楽天市場広告は、大きく2種類に分かれます。

①    運用型広告
運用型広告とは、広告主が配信ターゲット、配信内容(クリエイティブ)や予算を、成果を見ながら変更し、リアルタイムに効果測定・改善することができます。

また特徴的な点として、課金形態が挙げられます。
運用型広告は掲載したい広告枠にオークション形式で入札を行い、ユーザーのアクションが発生して初めて課金されます。
ちなみに楽天市場広告ではファーストプライス形式が採用されており、掲載枠に対して入札した金額がそのまま課金額となります。

②    ディスプレイ型広告
ディスプレイ型広告はPCやモバイルサイト上に広告を表示する方法です。
楽天市場内では、トップページをはじめとする各種プレミアム枠や、ジャンルページ、特集ページなどに掲載される広告が該当し、多くのユーザーの目に止まる掲載枠に広告が表示されます。
商品やブランドの認知向上に効果的ですが、費用はその分高額なものが多いです。ターゲットを絞らずに配信するため、商品の売上という意味での費用帯効果は上がらない場合もあります。
また運用型広告と異なり、課金形態は掲載保証型となるため、広告枠を決まった価格で購入します。

ここからは、消費者行動の認知から興味関心、購入までの全てのファネルに対応可能な、売上を伸ばすために最も重要となる運用型広告の中から主要な広告メニューを抜粋して解説していきます。

 

 

検索連動型広告

検索連動型広告とは、検索エンジンにユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告のことを指しています。
商品やサービスを能動的に探しているユーザーにアプローチできるため、費用対効果が高いという特徴があります。
この章では楽天市場内広告の検索連動型広告としてRPP広告、RSE広告を解説していきます。

 

Rakuten Promotion Platform(RPP広告)

RPP広告とは、Rakuten Promotion Platform広告の略称で、楽天市場内検索に連動して表示されるクリック課金型の検索連動型広告です。
楽天市場に出店しているクライアントであれば予算を設定するだけで、店舗の商品を主に楽天市場の検索結果に配信することができます。

配信する商品は店舗側が指定した商品を対象とし、楽天のユーザー行動データを元にユーザーの検索ワードに適した商品を配信します。
この広告の配信目的としては、楽天市場へ公式出店している店舗の自社商品の販促が主となります。
RPP広告の表示場所はPCであれば上位3枠、モバイルであれば上位5枠となっており、検索結果の上位枠に表示させることによって、商品ページへの流入を増やすことが可能です。
掲載枠順位はオークション形式で決定しますが、単純に入札単価の高い商品が上位に出るのではなく、検索結果に対する商品の商品名・キャッチコピー・商品説明文の関連性や、商品の売上件数、売上額、過去購入に至った検索キーワードなどが影響して順位が決まります。

メリット
楽天に商品情報を登録していれば配信が可能
・クリック課金のため費用対効果が高い傾向にある

デメリット
人気キーワードなどは入札単価が高騰しているため、利益率が低い商品は効果が悪くなる可能性がある

※注意点※
・基本的に楽天の運用システムに登録されている全商品が対象となるため商品やキーワードごとの入札単価の設定が必要となる点や、広告を配信したくない商品は除外登録設定を行う必要がある
・競合商品を指名でキーワード登録できない

 

RMP-Sales Expansion(RSE広告)

RSE広告は、Rakuten Sales Expansionの略称で、基本的にはRPP広告と同様の広告メニューとなっています。
RPP広告と異なるのは、楽天市場内で公式出店していないメーカーが広告主体となる点です。
つまり楽天市場内に出店していなくても掲載が可能で、目的としては楽天市場内で各店舗が販売している自社商品の販促支援、流通拡大となります。

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これまで公式出店がない限り出稿できませんでしたが、2020年4月から新しくできた広告メニューとなります。

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掲載先は楽天市場内の検索結果ページ、掲載枠はPCで6枠、モバイルでは5枠となっており、RPPと同様の見た目(商品タイトルの先頭に【PR】という表示)のため、ユーザーからは区別がつきません。

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活用例としては、TVCM出稿期間に競合商品からの掲載シェアの獲得や、商戦期に商品を掲載枠の上部に表示させて認知を拡大することが可能です。

メリット
公式店舗がない場合でも自社商品の販促支援ができる
・広告対象商品を選択することが出来る
・楽天に商品情報を登録していれば配信が可能
・クリック課金のため費用対効果が高い傾向にある

デメリット
・キーワードの入札単価調整など、運用が難しい
・人気キーワードなどは入札単価が高騰しているため、利益率が低い商品は効果が悪くなる可能性がある
RPP広告に比べて掲載枠が少ない

※注意点※
競合商品を指名でキーワード登録できない

 

 

クーポンアドバンス広告

クーポンアドバンス広告とは、2017年1月にスタートした楽天市場トップページやジャンルページ、検索結果ページなど様々なページに掲載される、クーポン付きの広告です。

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購入意欲の高いユーザーにパーソナライズされ自動で配信されます。
クーポンによる値引き率と対象商品は店舗で決めるか、楽天の自動設定に任せるか選択可能です。
楽天の自動最適化を選択した際は、対象商品と値引き予算額を設定すると、楽天が自動で最適な値引き価格を予測し、クーポンを発行します。
対象商品や値引き率などが細かく決まっている場合は店舗側で設定し、商品数が多く設定が大変な場合や、値引き率に融通が利く場合は楽天の自動設定にするなど使い分けることが可能です。

メリット
・単価が安い
クーポンの適正価格が分からない場合の設定が楽である
・購入意欲が高いユーザーにパーソナライズされコンバージョンに繋がりやすい

デメリット
費用の発生はクーポン使用時でなくクーポン発行時
・クーポンの値引き費用は店舗負担
・クーポンを元から多く発行している店舗の場合、他のクーポンとの調整が必要
クーポンの有効期限を設定することはできず、すべて翌月曜日の14:59分まで

 

 

ターゲティングディスプレイ広告(TDA)

2020年3月に開始された広告で、店舗側が希望するセグメント(楽天会員ユーザーの性別/年齢など)にバナー広告を配信できます。
バナーのデザインも店舗側で自由に作成できるため、特定のターゲットに対してバナーを使用した視覚的な訴求ができることが特徴です。

課金体系は、 ビューアブルインプレッション課金となっています。
ビューアブルインプレッション課金は、通常のインプレッション課金と異る、 広告の50%以上がユーザーに1秒以上表示された際にカウントされる仕組みです。
そのためユーザーに見られていないのに表示されたために課金が発生するということが少なくなります。
 
また配信単価は2022年8月17日以降からオークション形式が導入されています。
広告の開始方法としてはバナーを入稿し予算、配信期間、セグメント、入札単価などを設定することで配信することが可能です。

メリット
・掲載枠は「ランキング画面」「購入履歴」「お気に入り画面」など他のバナー広告では掲載できない箇所がある
・オリジナルのバナーで希望するセグメントに訴求できる

デメリット
・インプレッション課金のため、効率が悪くなることがある
・掲載枠は先着順となっており事前予約が必要

 

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楽天CPA広告

CPA広告はCost Per Action広告の略で、広告経由のコンバージョン(売上)に対して20%の広告費用が発生する成果報酬型の広告メニューです。
コンバージョンは、ユーザーがクリックしてから720時間以内に広告経由で発生したものがカウントの対象となります。

配信設定がとても簡単なことが特徴で、設定を有効にするだけで、楽天側に登録している商品から自動で選定されて配信されます。
掲載枠としては、楽天スーパーセールやイベントページなどユーザーが多く集まる場所に広告が掲載されます。

メリット
コンバージョン課金のため、無駄な広告費用が発生しない
・配信設定が簡単で有効にするだけで24時間以内に配信される

デメリット
・登録しているすべての商品から選定されるため、特定の商品を選んで広告配信することができない
・広告経由の商品を買った際にまとめ買いがあると、その分の売上も課金対象となるため、広告費用が嵩んでしまう可能性がある

※注意点※
広告予算の設定が出来ない
・利益率が低い商品であると、広告経由の売上高×20%は厳しい場合がある

 

ブランディング施策としても活用できる広告


最後に、ユーザーの商品購入にも大きく影響を与える、ブランディング目的でも活用できる広告メニューを紹介します。
ユーザーは商品の価格や機能のみでなく、ブランドのイメージやストーリーに共感して購入することがあるため、競合企業との差別化を図るためにもとても重要な要素となります。

RMP-Brand Gateway

ユーザーとのコンタクトポイントとして、楽天市場内にオリジナルのブランドページやタイアップページを設置することができます。
楽天市場トップページや、検索結果ページなどから、ブランドページに誘導することで効果的に購買に結び付けることが可能です。

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ブランドサイトでは静止画のみでなく動画など多彩なコンテンツでブランドイメージやストーリーなどを伝えることができ、魅力の高い訴求や長期的な顧客の育成に繋がります。
また閲覧ユーザー層や、売上データなどのレポート提供も可能となっており、効果的な運用を行うことが可能です。
楽天市場は商品購入のみでなく、商品の情報収集の場としても多くのユーザーに利用されているため、相性がとてもよい広告メニューとなっています。

 

RMP-Showroom

楽天市場内にキャンペーンページを設置し、ユーザーとの効果的なコンタクトポイントを作ることが可能です。
楽天IDを軸に連携したユーザー行動データ管理基盤で、広告告知から購買までを連動させた一気通貫型サービスの提供と効果検証によるPDCAサイクルを回すことができます。

上記2つのマーケティング支援の広告メニューは、運用型広告と複合的に活用することで楽天市場での広告運用の成果向上に繋がります。

 

 

おわりに

今回は楽天市場内の運用型広告の中から、売上アップに欠かせない広告を解説していきました。
各広告メニューの特徴を理解したうえで、最適な広告メニューを選択することができれば、継続的な売上アップのサイクルを確立することが可能です。
今後の記事では、楽天のセール情報なども解説していきますので、ぜひご確認ください!

DACでは、楽天市場を含むECモールの活用や、オウンドサイトの活用など、Eコマースにおけるマーケティング施策に関するご相談をお待ちしております。
是非、お問い合わせください。

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この記事の執筆者

相原 快人

DACへ新卒で入社。Amazon・楽天市場等のECプラットフォーム専門部署に所属し、 ECプラットフォーム広告専門の運用業務を担当。大手飲料/家電/消費財メーカーなど幅広い業種のクライアントを担当し、Amazonを中心としたEC売上を最大化するための広告プランニング〜運用の実行を含めたPDCAを実行。

DACへ新卒で入社。Amazon・楽天市場等のECプラ...

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