【前編】既存デジタルマーケティングソリューションを活かす“データハブ”に/TEALIUM JAPAN日本地区パートナービジネス統括 関 基陽 様インタビュー

 2016.11.01  adtech管理者

今回は、今年7月にAudienceOne®との連携、ならびに販売代理店としての提携もさせていただきました、TEALIUM JAPAN株式会社 日本地区パートナービジネス統括 関様へのインタビューを前編・後編に渡ってお届けします。まだまだ聞きなれないサービスかと思いますが、Tealium創業の背景から日本への進出、またマーケッターにおける課題を、Tealiumを活用することでいかに解決可能か、といったお話を熱く語っていただきました。

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Tealium JAPAN株式会社オフィスにて

『すべての製品の中でニュートラルとなりたい』・『人にフォーカスしたい』という2つの思い

はじめに、Tealiumについてどのような企業なのか教えてください。

関:Tealiumという会社は2008年に設立されました。カリフォルニアにて誕生しており、典型的な西海岸の企業風土を持っております。従業員は現在、グローバルで270名ほどです。TealiumにはJeff LunsfordというCEO、Mike AndersonというCTOの2名が経営陣としておりますが、2人は、2008年のTealium設立以前はWeb解析ソリューションである”Web side Story(※1)

”というサービスの提供を行っていました。彼らは、元から「Webを通じてモノだけではなく人の動きを把握したい」という構想を持っていたそうです。

その”Web side Story”のエンジンが2008年オムニチュアに買収されまして、それを機に新たにTealiumを設立しました。”Web side Story”は、買収されたことでsuiteという形で、大きな会社(現Adobe社)製品の1部分となりましたが、『すべての製品の中でニュートラル(中立性)となるべき製品でありたい』という思いと、Webの分析というのはモノを追いかけることになりますので、『人にフォーカスしたい』という2つの思いを持って、事業を開始しています。設立した2人はコアビジョンとして”Web side Story”の際の考えを持っていますので、”Web解析”という切り口から、タグマネジメントツールの提供、という形でサービス提供を開始しています。

※1:Web side Storyは、2008年にオムニチュアに買収されている。オムニチュアはその後、Adobeに買収。
wiki:(英語版のみ)

設立は、比較的最近なんですね。

関:そうなんです。エンタープライズタグマネジメントのビジネスが拡大したことで資金を増やしていき、またVCから増資し、人にフォーカスできる商品を開発すべくR&Dを重ねていました。そして満を持して、2014年に「Tealium Audience Stream」としてその機能のリリース致しました。日本法人は2015年初めから2名体制でスタートしています。

元々日本市場への進出は、予定されていらっしゃったのでしょうか?

関:やはり、エンタープライズタグマネジメント+デジタルマーケティングという分野からスタートしていますので、事業としてはデジタルマーケティングの市場規模拡大に依存する部分があります。中国は独特なため、密接に関わっているヨーロッパ以外では経済規模的に日本は外せないだろう、と考えていました。2015年11月に日本ローンチイベントを開催したのですが、イベント実施のタイミングで管理画面などの日本語対応も完了させていました。

そうでしたか。では具体的にTealiumで提供されているソリューションについてお伺いが出来ればと思います。それぞれについてお教えいただけますでしょうか。

関:エンタープライズ タグマネジメント「TealiumiQ」と、カスタマーデータ統合+リアルタイムコミュニケーション「Tealium Audience Stream」に加え、蓄えられたデータをユーザーの手元に提供できる「Tealium Data Access」の3つの製品から成り立っております。

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まず1つ目の「TealiumiQ」ですが、これは元々Tealiumが基礎としておりましたエンタープライスタグネジメントです。純粋にすべてのベンダータグを一元に管理・定義をし、タグの中身をやり取りする。かつその中身をTealiumが一元的に持つ、という仕組みをとっております。企業がタグマネジメントを導入することで、タグに蓄積されたwebに関する情報がTealiumに蓄積します。2つ目の「Tealium Audience Stream」は、この蓄積された情報から“個人“を特定しライフイベントデータとしてまとめることが可能です。個人といいますのは、AさんBさんというような名前を特定するのではなく、例えば、わたし“関“という人間が「いつ、どこで、何をした」というユーザーの行動情報を推定します。

具体的にはどのように情報がまとめられるのでしょうか?

関:例えば“関“という人間がPCから会員ログイン後Webサイトを閲覧し商品を見たとします。その行動をTealiumは把握しますが、後日、別途モバイルサイトから製品を閲覧した人も、“関“であるということをTealiumが把握した時、その瞬間にそのモバイルサイト上で過去まで遡っての”関“の行動を、従来のWebサイトで元々“関“と認識していた行動と結合されます。結果、”関“のライフイベント情報がよりリッチになります。このような処理を「Tealium Audience Stream」は行います。

PCからのアクセスとモバイルからのアクセスは、どのようにして同一人物として識別されるのでしょうか?

関:例えばPC、モバイルと異なるデバイスでログインを行う場合は、ログイン情報をキーに同一人物であると特定できるのは明白です。上記の例ですと、ログインせずにモバイルサイトでネットサーフィンをしていた場合、個人は特定できませんがTealiumは行動のみ把握しています。そこで、PCで個人を認識しているユーザーに対しタグ付きメールを送付、そのメールをモバイルで開封した際、タグに含まれる開封情報をTealiumが認識し、モバイルを使用している人も同一人物である、と識別します。

このように特定の個人の行動を認識・管理するだけが目的ではなく、特定の個人に対し「どんなときにどんなアクションを行うか?」を定義することが可能です。ここが単なる管理ではなく、ビジネスインパクトに繋がる「施策」を実行することに価値があると考えています。特定の“個人“に対してのアクションをTealiumで定義することで、そのアクションが瞬時に発動、という仕組みになります。

“バッジ”を通じて個人を可視化し、アクションを設計

蓄積された“個人”のデータに対するアクション設計はどのように行うのでしょうか?

関:そのお話をさせていただく前に、まずはTealiumで使われている”バッジ”という考え方について説明します。先ほど特定の個人が「いつ、どこで、何をした」という情報を取りまとめると申し上げましたが、取りまとめると言っても、私“関“ってどういう人なんだろう、とプロファイルを特定するのって難しそうじゃないですか。何をもって、どういう人間だと表現をするのか。それをTealiumでは、バッジという概念を使って定義をしています。これはTealiumで私がユニークだと思っているところです。

例えば私、“関“は、男性であり、40代であり、また「この企業の商品が好き」という状況だったとします。Tealiumではこの3つの情報、「男性」「40代」「この商品が好き」という1つ1つをバッジとして付与する形になります。このように1つの属性ごとに1つずつバッジを作ることが出来るので、それを増やすと100個、200個とたくさんのバッチが出来てしまいます。1人あたりでみると、非常に多くのバッジを持つ形になるんですね。ですので、(マーケティング施策が行いやすいように)例えばこの「男性」「40代」この企業の商品が好き」という3つのバッジの設置をもっていたら、1つのスペシャルバッジにまとめることもできます。このように、Webその他から集められる、個人におけるあらゆる属性情報をバッジで表現いたします。

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※バッチのイメージ

では次に、例えばユーザーの中から、「20代女性の目黒区に住んでいる人」の条件に当てはまる方にバーゲン情報メールを送るキャンペーンを行うとします。ただ、この条件を抽出するのに際し、今皆様がお持ちのプロファイルって本当に正しいんでしょうか?という課題が常に付きまといます。30代になってしまっているのではないか、引っ越してしまっているのではないか、といった、要は、今セグメント分けをするために持っている情報は現在本当に正しいのか?ということです。

持っているプロファイルのデータが実際のユーザー状況と異なることで、本来アプローチしたい人と異なる人にメールを送ってしまっている可能性がある、ということですね。

関:はい、その通りです。みなさんが受け取るメールってすぐ消しちゃったりしませんか。興味ないな、と1日に何十通消している、ということもあるかと思います。「スパム」と思われてしまっている可能性が高いんですよね。これは、ふさわしいセグメントに対して本当に送れているのか?というところが起因していると思います。

それに対して、Tealiumはバッジを用いて、ある人がまさに現在どういうプロファイルであるのか、ということを認識・管理しています。例えば、優良顧客という定義を「年間10万円以上購入」したというバッジを作成した場合、すべての個人のライフイベント情報から「Aさんはこのバッジついています」「Bさんはついていない」という処理が行われます。バッジの有無でそれぞれの人がどういう状況なのかが分かるのが面白いところです。

バッチの項目は、自由に設定可能なのでしょうか?

関:はい、バッジは簡単なウィザード形式(※2)

で設定が可能です。取り扱いたい項目、つまり変数で表現できるものはすべてバッジを利用できます。一度設定を行ってしまえば、TealiumiQから収集するタグをはじめとして、連携する各種デジタルマーケティングソリューションやオフラインデータから個人の行動を把握し、その行動に対し定義したバッジの付与/削除を行います。 ※2:ソフトウェアの難しい操作がわからなくても、コンピュータがユーザーに問い掛けるように順番に質問を投げかけ、ユーザーはそれに答えることによって操作を完了する方式

ここから、さきほどの問いに対しての回答に繋がっていくのですが、Tealiumでは、「このバッジがついたら、この個別アクションをしましょう」というルールの設定が可能です。たとえば、「このバッジがついたら、このバナー広告をピンポイントで出しましょう」ということを定義できます。「このバッジがついたら、このムービーコンテンツをカスタマイズされたWebページに出しましょう」とか、「このバッチがついたら、CRMに連携して営業から電話させましょう」ということを、バッジがついた瞬間にそのアクション指示を行うことができるのです。

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※バッチを利用したメッセージングイメージ

ここで少し余談なのですが、ユーザーの行動についての独自の統計データがあります。例えばメールでもチャットでもよろしいんですけれど、アクションから1時間を過ぎるとその後のアクション率が落ちる、という統計結果が出ているようです。ですので、ユーザーのアクションに合わせてリアルタイムにアクション(アプローチ)を行うことは非常に重要と言えます。

そして最後に3つ目、2015年にリリースされた「Tealium Data Access」というものがあります。Google製品、Yahoo!製品、その他DMPと呼ばれる製品には、当然大事なデータが蓄積されています。エンドユーザーには、貯められたデータを「手元で加工したい」「使いたい」というニーズは必ずあるんですが、残念ながらほとんどのDMP、もしくは無償サービスにおけるデータ蓄積ですとデータはエンドユーザーの手元にはないんですね。ツール提供側にそのデータが眠っています。しかもそういったサービスを使えば使うほど、分散し蓄積されていく状況なんです。では、その分散された大事な情報を分析したい、また二次加工したい場合、どうやって集めればよいのか?となると、集めるためにはお金も、時間も必要になってきます。こういったところが、今エンドユーザーさんにとっての課題なんですね。

それに対しTealiumでは、「Tealium Data Access」という機能を使うことで、「Tealium Audience Stream」に溜められたモノと人に関する情報をいつでもエンドユーザー側で抽出することが可能です。ですので、使いたいタイミングでデータを抽出して分析をしたり、2次加工して別のソリューションに利用したりすることができます。

Tealiumと連携をさせれば、どんなソリューション経由で蓄積されたデータでも抽出が可能になる、ということでしょうか。

関:はい、その通りです。例えば、Googleのソリューションを使って貯められたデータはGoogleの世界だけのものになっています。でも、当然エンドユーザーにおいてはGoogle以外にも他の様々なサービスやツールを使っていますよね。もちろん、そのサービスやソリューションはそれぞれ単体では機能するんですが、ただ1つ1つを見た場合、それって本当に(マーケティングを行う上で)ベストなデータなんでしょうか?という課題があります。Tealiumは、タグその他連携データを通じて様々なツール1つ1つに蓄積していたデータを1つに集め、プロファイリングを100%正確にしましょう、というイメージです。

それぞれエンドユーザーがお使いになられているデジタルマーケティングのソリューションは向き不向きがあって、当然エンドユーザーもそれを理解し、使い方によってたくさんのソリューションを使い分けている、という状況です。その結果、必要な個人のプロファイルが正しく反映されておらず、バラバラになってしまっている状況です。

例えばあるMAツールでは、【Aさん】という人間は超プレミアムカスタマーなのに、あるDMPにおける【Aさん】のプロファイルは一見さんでまったく重要なお客ではない、というギャップが起きたりします。それを皆様一生懸命、時間と手間とお金をかけて、例えば、「データウェアハウス統合プロジェクト」、「一生懸命名寄せをしましょう」と苦労をされるんですが、事故がよく起こるんですね。【Aさん】というプロファイルでデータをマージしたんですけれど、実は他人のものが入っていた、とか。一生懸命マージしました、ただもう半年たっています。そこでマージされた私のデータって正しいんでしょうか?とか。半年もたっていれば、元となった情報が古くなっているかもしれませんよね。

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※断片化された顧客増のイメージ。本来とは異なる人に対してパーツが統合されてしまっている。

グローバルですと、“Marketing Cloud”などという形で一連のソリューションを提供されている企業がありますが、すべて自社で開発されたソリューションであることは少なく、買収をしたうえで自社サービスとして提供しているものも含まれている状況です。その結果後ろでどう連携しているかというと、もともと別企業で作られたものも含め連携させている状況ですので、同じシステムベンダー内の商品をセットで使用する場合でも、キャンペーンを実行しデータ連携・メール送付完了させるのに48時間(=2日)かかる、なんてことが起きたりします。そんな時間がかかっている間に、お客さんは別のものを買ってしまっています。

その点、Tealiumは、複数のソリューションからその特定の個人に関する正確なプロファイル情報を収集・管理することができます。それだけではなく、Webサイトの先にいるユーザーが何かアクションした場合、このサイトに来ました、このボタンクリックしました、というアクションを逐次Tealiumは把握し周辺のソリューションにアクションをプッシュする、ということが可能です。つまり、インフラとしての「ハブ」となることで、既存ツール/ソリューションをより効果的に活かすことができます。先ほどの例ですと48時間かかっていたものが論理的には瞬時に連携して配信が可能となります。すべての既存デジタルマーケティングソリューションの存在を否定しているのでなく、より有益に活かすための「ユニバーサルデータハブ」にしてください、というのがTealiumのメッセージです。

いくら“リアルタイム“といっても、タグでやり取りをする場合は、遅延なども可能性はあると思うのですがいかがでしょうか?

関:Tealiumはタグデータ収集に3社マルチCDNという形をとっており、システム面の強さとしては、Webサイトへのアクセス(トランザクション)がUSで1番増えるという11月のCyber Mondayにおいて、遅延なくデリバーすることができた、という実績はあります。そういった意味で、実績として理論上遅延は起こっていない、ということは言えるかと思います。
後編に続きます(link)>>>

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