【メディアの視点から】動画が注目された背景と広告トレンド

 2015.02.26  adtech管理者

アドテクを中心として広告業界のトレンドについて発信をする『DAC AD TECH BLOG(アドテクブログ)』。今回のテーマは、昨年「動画元年」として何かと話題に上がることが多かった”動画”。メディアセールスを担当されている星合さんと、動画広告を中心に商品開発をされている木村さんにお話をうかがいました。

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生活者の変化や市場環境の整備によって、注目度が上がった「動画」

2014年は業界で改めて「動画元年」と言われ、動画配信ビジネスが注目された年であるかと思います。注目された背景としては、どのような理由が考えられるのでしょうか?

星合:生活者が接触するメディアの変化があるかと思います。博報堂DYメディアパートナーズの調査※1によると、生活者の接触している時間の長いメディアはTVに次いで、携帯電話・スマートフォンが来ています。では、スマートフォンで何をしているのか、ということが重要なのですが、“動画”がよく見られている、という調査結果が出てきています。スマートフォン所持者の83.5%がスマートフォンでの動画視聴経験があり、経験者のうち50%が週1回以上動画を視聴しており、毎日見ている人も全体の25% ※2と多い状況です。このような背景を受けて、広告主が改めて動画広告に注目し始めたことが影響している、と考えられます。
また、博報堂DYメディアパートナーズがTVCMとオンライン動画広告を掛け合わせた広告効果の調査を行っているのですが、TVCMにオンライン動画を組み合わせると、リーチや認知効果が上がるなどの結果が出ています ※3。このことも後押しとなり、オンライン動画広告への出稿が拡大しています。

※1:メディア環境研究所「メディア定点調査・2014」レポート
※2:博報堂:全国スマートフォンユーザー1000人定期調査
※3:TVPlus Simulator リリース資料に付随した調査結果

木村:私は市場環境が整ってきたことも要因として考えています。
特に大きいと考えているのは、『YouTube』やGYAO! などの無料動画配信サービスの定着ですね。YouTubeにおいては、『YouTuber ※4』がマスコミなどでも取り上げられるようになり、違法動画ではないUGC(User-Generated Contents/一般利用者によって作られたコンテンツ)が生活者に受け入れられるようになりました。星合さんがおっしゃる通り、スマートフォンの普及が進んだことで、スマートフォン経由でYouTubeを閲覧する人が増加しています。ニールセンの調査によると、PCでの利用者数は2,221万人となっており、スマートフォンですと2,774万人 ※5とPCよりも多くなっている状態です。それだけ、動画視聴が身近になってきた、ということになります。

※4:主に動画共有サイトYouTube上で独自に制作した動画を継続して公開している人物や集団を指す名称。特に、一般のユーザーと比較して桁違いな再生回数やファン数を持つ人のことを指す。HIKAKIN、マックスむらい、レオンチャンネル等。
※5:ニールセン調査

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最近では、テレビ局のサイト上でオンライン動画配信も始まりましたね。

木村:そうですね、それがもう1つの大きな動きです。「キャッチアップサービス」というもので、“見逃し視聴サービス”とも呼ばれています。ドラマやバラエティが放送された翌日、学校や職場で「あの番組面白かったよね」と話題になっていた際、“キャッチアップ”が出来るようにする、いうイメージです。2014年1月に日本テレビがサービスを開始したことを皮切りに、10月にTBS、2015年1月にはフジテレビも見逃し配信サービスを開始しています。
これまで日本では、完成度の高いコンテンツの多くは有料での提供に限られていましたので、「YouTube」などでUGCが圧倒的な再生回数があるとはいえ、“オンラインで動画を見る”という文化は、一般の生活者には広く根付く状況にはありませんでした。その環境下で、サービス提供開始後、3ヶ月で日本テレビは動画コンテンツの再生回数が1,300万回を超え、TBSも1,500万回を超えたことは、生活者がオンライン上でのTV局のコンテンツを待ち望んでいたことを実証したことになるかと思います。

生活者の変化や市場の環境が整ってきたことはわかりました。それでは「広告」という観点で考えた際、動画広告にはどのようなものがあるのでしょうか?

星合:動画広告の配信方法としては、「IN STREAM型」と「OUTSTREAM型」の2種類があります。
「INSTREAM型」のフォーマットは、動画コンテンツの間に広告を挟み込む形式です。動画視聴開始前に流れる広告や、動画コンテンツの間に流れる広告がこのフォーマットにあたります。ユーザーが観たいコンテンツの前や間に動画広告が表示されるので、広告認知率が高いことが特徴です。しかし「INSTREAM型」広告のみでは、インターネットユーザー全員にリーチさせることが難しい状況です。
そこで生まれたのが、「OUTSTREAM型」の動画広告です。動画サイトではなく、ニュースなどの記事型のサイトで、記事の直下などに動画広告を挟み込むものを指します。

ではまず「IN STREAM」型の広告について教えてください。

星合:さきほどお話をした通り、TVCMとセットで出稿をされるケースが増加しており、案件の数も案件単価も増加傾向にあります。動画広告市場は前年比で200%以上の伸びを見せているといわれておりますが、弊社でも動画全体で、前年比で260%の伸びを見せております。IN STREAM型の広告を中心に拡大をしている形です。

木村:私が注目した「INSTREAM型」は、やはりテレビ局ですね。テレビで圧倒的なビジネスモデルを作り上げているテレビ局が、オンラインで放送コンテンツを配信し、オンラインでマネタイズをするという取り組みが革新的です。
これらの取り組みにより、技術的な部分も向上しました。CM制御などの複雑な設定を、ビデオ配信プレーヤーベンダーやアドサーバーベンダーが協力して解決していった形です。
昨年9月に、今年度中(2015年度中)に在京キー局5社が統一フォーマットで番組配信/広告モデルの試験運用していく、と発表しています ※6 ので、今後インターネットで優良なコンテンツを見られる取り組みが大きく飛躍すると考えています。

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他に目立ったものですと、動画DSP(Demand-Side Platform)でしょうか。提携や調査リリースなどが目立ちました。先行していたDSP「Tube Mogul」や「Adap.TV」に加えて、弊社グループのMarketOneなど、動画DSP市場への参入する会社が増えてきました。また、できることもDMP(Data Management Platform)との連携を含めて増えてきています。インターネットならではのシステムの発展は、注目していきたいですね。
※6:一般社団法人 日本民間放送連盟 井上会長 定例記者会見(2014年9月開催)

「OUT STREAM」型の広告はどうでしょうか。

木村:「OUTSTREAM型」のトレンドは、ユーザーの画面上で動画枠が表示されたタイミングで動画広告が再生開始し、再生に対して課金するという点です。動画は観ることに価値がありますので、動画の再生開始に至っていない閲覧に対しては課金しない形式にすることで広告主・広告会社に信頼を得ています。
DACでも、「OUTSTREAM型」においては、いち早く「インリードビデオ」という広告フォーマットを開始し、提供を行っています。すでに様々な媒体社に採用いただいており、導入各社において広告商品として販売しています。広告主にとっては、バナーから動画広告になることで、より一層、商品のサービス認知・理解促進を実現できるようになりました。
さらに、DACではアドネットワークを構築し、「DACプレミアムインリードビデオアドネットワーク」として販売をしています。『動画広告の閲覧者数を多くしたい』という広告主のニーズを叶えるためにネットワーク化を行った形です。現在はすでに実配信ベースで2,000万UU(ユニークユーザ)を超えています。

他では、Yahoo! JAPANのインスクロールアドも「OUTSTREAM型」市場をけん引しました。やはり、Yahoo! JAPANへの訪問者数は多大なため、広告主のニーズに答えやすいという特徴があります。さらにFacebookでは、企業の投稿型広告のクリエイティブに動画を追加することが可能です。こちらも急激に普及しています。

注目は、在京キー局5社の今後の取り組み動向

2015年はどのような動画の広告枠の開発や活用が行われると考えていますか?

木村:動画広告市場は、やはりコンテンツがあってこその動画広告なので、在京キー局5社の動きが、今年最大のイベントになるかと思います。注目すべきポイントは売り方がどうなっていくかです。開発の観点でいうと、「OUTSTREAM」型は、新しいフォーマットと売り方がいくつも出てくるかと思います。LINEのコインをインセンティブにした動画広告も人気があるので、売り方も含めてヒントになるかもしれません。
また、まだまだ先の市場でしょうが、博報堂DYメディアパートナーズや、先日弊社でもリリースしましたが、「スマートTV」の市場も可能性があると考えています。いずれテレビ買い替え需要があり、そのタイミングで花開くだろうと考えられている市場ですが、テレビの大画面でインターネットの仕組みで動画広告が配信されるのは、革新的だと思います。

DACでは、動画に関連するソリューションを数多く取り揃えています。まずは、DACにご相談をいただければ幸いです。

今回ご紹介した内容にご興味を持っていただいた方は、以下よりお問い合わせください。

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