スマートフォン広告の注目株「ネイティブアド」の可能性

 2015.01.29  adtech管理者

『DAC AD TECH BLOG(アドテクブログ)』ではアドテクを中心として広告業界のトレンドについて発信をしていきます。
今回は、2014年注目された広告商品の1つである「ネイディブアド」について、日ごろから媒体社と一緒に商品開発を行っている、DAC プロダクト開発本部の砂田さん・金野さんにお話しいただきました。

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左:金野さん、右:砂田さん

スマホシフトによるネイティブアドの注目度向上

2014年注目された広告手法の1つに「ネイティブアド」があるかと思います。なぜ「ネイティブアド」がここまで注目されたのでしょうか。

日本では「ネイティブアド」について定義がされていないため、IABのネイティブアド・プレイブック※1 に準じてお話をさせていただければと思いますが、このIABのネイティブアド・プレイブックでは6つのタイプの広告が紹介されています。6つのうち国内で最も注目されたものとしては、『インフィード型』ネイティブアドが挙げられますね。背景としては、スマートフォンの普及により、消費者の情報接触の場がPCからスマートフォン中心になっていった、ということが大きいと考えられます。

※1:原題:The Native Advertising Playbook。米国のオンライン広告の業界団体IAB(Interactive Advertising Bureau)が昨年12月に発表。DACでは日本語に翻訳し、HP上に掲載を行っている。
リンク:IAB ネイティブアド・プレイブック(日本語訳)

スマートフォン向けの広告において、既存のディスプレイ広告ではなく、「ネイティブアド」におけるメリットは何があるのでしょうか。

スマートフォンサイトでは、画面サイズに限界があるため、多くのメディアおよびアプリケーションのUI(ユーザーインターフェイス)が単線設計になります。そのため、既存のディスプレイ広告ですと、UX(ユーザーエクスペリエンス)の阻害にもつながり、広告効果も低減しがちという状況がありました。そこで「ネイティブアド」が、ユーザーにコンテンツと同様の接触態度をとってもらいやすい“フォーマット”として注目されたのではないでしょうか。

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またスマートフォンにおいては、アドネットワークが先行して発達しており、そのため広告単価がPCと比べると相対的に低くなっているんですね。媒体社としてはスマートフォンサイトで収益の確保が難しいという構造が作られていました。「ネイティブアド」は比較的単価を高く広告主への提供が可能なため、媒体社の『救世主』として積極的に取り入れる動きが広まったと考えられますね。

単価が高くても「ネイティブアド」だと出稿する価値がある、ということでしょうか。

はい。「ネイティブアド」は、コンテンツと同様の態度で潜在層にまでリーチできるため、通常よりも高い広告効果が見込めます。また、これまで広告主にとってはブランディングを行いたくても、スマートフォンにおいては実現が難しかったという背景がありますので、とてもニーズは大きいと考えています。

「ネイティブアド」が可能にしたスマートフォンでのブランディング広告

なぜスマートフォンではブランディングが難しかったのでしょうか。

Web上で実施されるブランディング方法としては、主に「記事広告」と「大型枠へのリッチ広告」の2つの手法があります。ただスマートフォンにおいては、「記事広告」を実施したくても、1つ1つの媒体のPVが少なくPCのように多くの人へ届ける手法がありませんでした。「大型枠へのリッチ広告」に関しては、大型枠を開発し取り扱っている媒体が少なく、市場に不足している状態でした。
そこで双方を解決する手段として、「ネイティブアド」のネットワーク化の取り組みを各社進めている状況です。

「ネイティブアド」のネットワーク化にはどんなメリットがあるのでしょうか。

まず広告主にとってのメリットですが、単純に広告接触のリーチが広がることだと思います。先に挙げたように、1つのメディアへの出稿だけでは、十分なリーチを確保することが難しくなっています。また、消費者の情報接触の場がPCからスマートフォン中心になっていったことによりスマートフォンからのアクセスは増加傾向ではありますが、メディアの数も増加していますので、ユーザーが閲覧する面は多様化しています。そのため、サイトだけでなくアプリも含めてネットワーク化することにより、より多くのリーチを確保することが可能となるのです。また、記事広告がユーザーに届きやすくなりますから、これまで難しかったスマートフォンにおけるブランディングも可能となります。
媒体社としても、ネットワークに加わることで、独自で販売ができないわずかな在庫でも広告出稿を行ってもらうことが可能となりますので、マネタイズしやすくなる、ということがあります。

DACでは「Smarti™ Native Feed」というネイティブアドのネットワーク商品を開発していますが、この商品の特徴について教えてください。

「Smarti™ Native Feed」は、様々な媒体社にお声掛けおよびヒアリングをさせていただき開発を行った商品です。媒体社へヒアリングをしますと、やはり『ユーザーのコンテンツに対するモチベーションを阻害するような広告フォーマットは避けたい』という声を多くいただきましたので、リンク先については“記事広告限定”で販売を開始しています。リンク先を記事広告にすることで、ユーザーへコンテンツを消費するのと同様の接触態度で広告主のメッセージを伝えることが可能となります。

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反響として、どのような企業からの引き合いがあるのでしょうか。

偏りなく様々な業種・商材でお問い合わせをいただいています。やはり広告形態の特性上、新商品販売やキャンペーン告知の案件での引き合いが非常に多いですね。インターネットメディアに出稿が多い企業様からも、お問い合わせをいただいてます。スマートフォンにおいて、メディアのデザインや構成に合わせてコンテンツや記事と同様の体裁で制作・表示する“フォーマット”になりますので、潜在層も含めたユーザーへリーチし、興味関心のあるユーザーのみを誘導することが可能、ということに魅力を感じていただいています。

興味関心のあるユーザーのみを誘導とのことですが、ターゲティング配信を行う訳ではないですよね?

はい。フィードに流れる文字をいったんユーザーに判断いただき、興味関心を持ったユーザーのみにクリックしてページに遷移してもらうという意味です。「Smarti™ Native Feed」は潜在顧客に対するアプローチが可能な商品として考えていますので、ターゲティングは必要ない、と考えています。

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例を挙げてみましょう。たとえば、ダメージヘアに効果のある女性用のシャンプーのネイティブアドが出稿されていた、とします。このネイティブアドを見た男性が「そういえば彼女が髪の毛が痛んで困っているって言っていたな。このシャンプーよさそうだな」と思い、よさそうな商品があったことを彼女に伝えます。彼女は彼がいうのだから使ってみようかな、とサンプルを取り寄せ、気に入り実際に商品を購入しました。この場合、直接は取り寄せたサンプルになりますが、大元を辿ると、男性が見た「ネイティブアド」がキッカケとなっています。

ターゲティングをしなかったことによって、潜在層を顕在化させることが出来た、ということですね。

はい。これはあくまで一例ですが、女性ターゲットの商品でも、広告が影響するのは女性だけではないというイメージを持っていただけたかと思います。ブランディングは、「興味関心のある人を作る」ことが重要になりますので、だれが興味を持ってくれそうか?ということを配信の時点で絞ることは機会損失に繋がると考えています。

既に頭打ち感を感じている企業においても、有効そうですね。

そうなんですよ。実際に、これまでに様々なターゲティングによりターゲットとなるユーザーをある程度刈り取りつくしてしまった、とおっしゃっている企業様が、新たなターゲット開拓に出稿いただくケースも出ています。

2015年、ネイティブアド市場はどうなっていくと考えていますか。

現状、国内で「ネイティブアド」と呼ばれるものは、表示形式のみがネイティブであって、ユーザー体験までもネイティブになっているとは思えないものばかりです。そのような表示形式のものが多く流通してしまえば通常のディスプレイと同様、ユーザーは広告と認識し、広告効果が低下するでしょう。ただユーザーにとって有益になるフォーマットでメッセージを伝えることができればユーザー、メディア、広告主にとってメリットとなりうる広告手段になるため、今後も市場の拡大は期待できると信じています。

DACとしては、「ネイティブアド」に対してどのようは取り組みを行っていくのでしょうか

弊社としては今後も様々な媒体社からのサポートをいただき、広告主へより価値のある広告商品開発を考えています。まずは年度内に、スマートフォンでブランディングが可能な商品を展開できるよう準備を進めている段階です。また、現状「ネイティブアド」は有効な広告効果測定・指標が未だ無い、ということが課題の一つですので、媒体社の協力を仰ぎながら効果測定手法の開発に取り組んでいきたい、と考えています。

砂田さん、金野さん、ありがとうございました。
次回はDMP市場について、モデューロ重原さんに語って頂きます。
お楽しみに。

今回ご紹介した内容にご興味を持っていただいた方は、以下よりお問い合わせください。

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