媒体社の収益最大化を目指す/広告配信ソリューション「FlexOne」

 2016.02.05  アドテクノロジーブログ

アドテクを中心として広告業界のトレンドについて発信をする『DAC AD TECH BLOG』。今回はDACで自社開発を行っているプロダクトをご紹介するシリーズです。「新統合プラットフォーム」として媒体の収益向上、価値向上を目指すFlexOne®について、FlexOne®開発部の黒田さんにお話を伺いました。

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媒体社の収益・価値向上を目指す新統合プラットフォーム「FlexOne®」

はじめに、FlexOne®とはどういうソリューションか教えてください。

黒田:FlexOne®は、2014年5月に誕生した媒体社向けの新統合プラットフォームです。このソリューションは媒体社の収益を向上すること、そして媒体の価値を高めていくことを目的とし開発されました。

FlexOne®の開発に至った理由を教えてください。

黒田:媒体社をとりまく環境が近年めまぐるしく変化しており、時代の変化に対応するために開発に至った形です。純広告だけではなくプログラマティック広告の浸透により広告取引形態の多様化やスマートデバイスの普及、新しい広告フォーマットの出現などによってインターネット広告ビジネスが非常に複雑化しており、媒体社をとりまく事業環境が大きな変革期を迎えています。この変革期を受けて、媒体社の力になれるように、DACが今まで培ってきたすべての技術・ノウハウを駆使しFlexOne®をリリースしました。
名前は、媒体社の要望にフレキシブル(flexible)に対応しようという意志を込めてFlexOne®というブランドでこのソリューションは立ち上がりました。ちなみにですが、弊社ではパブリックDMP AudienceOne®や第三者配信ソリューションEffectiveOneなど、Oneシリーズとして各種ソリューションを展開しております。

「新統合プラットフォーム」とありますが、どういったソリューションを内包しているのでしょうか。

黒田:FlexOne®というプラットフォームには、サブブランドとして5つのソリューションが紐づいています。もともと弊社で開発し、大手媒体社含め30社以上に導入実績のある広告配信ソリューション(以降アドサーバ)「FlexOne® Elephant(iPS-X)」や、動画に特化したアドサーバ「FlexOne® STINGRAY」、RTBを含め相対的に収益化を目指すアドサーバ「FlexOne® HARRIER」、最新のリッチフォーマット配信が可能な「FlexOne® ROBIN」、そして現在開発中である、様々な広告配信結果を一元管理化するダッシュボード「FlexOne® DOLPHIN」です。媒体各社の課題に合わせて、「FlexOne®」ブランドである上記ソリューションを組み合わせ、ご提供しています。

組み合わせとありますが、具体的に、どのような活用イメージをもてばいいでしょうか。

黒田:媒体各社は 様々な広告枠(メニュー)を持っています。FlexOne®をご活用いただくことで、そのひとつひとつの資源・枠を有効活用して広告配信を行い、また新たに広告メニュー・枠を開発して、収益向上化を目指していきます。

例えばトップ面に広告を配信する場合、FlexOne® HARRIERを活用して媒体が持っているオーディエンス情報を活用したメニューを開発したり、FlexOne® STINGRAYによって動画広告メニューを開発したり、といった形で、通常の広告枠よりも単価高く販売可能なメニューを作り収益向上に繋げていきます。FlexOne® ROBINを活用すれば、現状の広告メニューを無くさずに新しい広告メニュー(インリードビデオ等)の配信が簡単に実現できます。様々な面や状況に合わせFlexOne®シリーズを使い分け、最適な広告配信が実現できます。

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また、弊社はこのFlexOne®を単体の配信事業としては考えていません。 媒体社の皆さまと一緒に広告メニューを開発していくなど、メディアレップとしての知見をフルに活かしながら継続的にFlexOne®シリーズ活用のサポートを行っています。

オーディエンスデータを活用した広告メニューや、ホリスティックアプローチを実現

先程、「FlexOne® HARRIERによるオーディエンスデータを活用した広告メニュー開発」とありました。「オーディエンスデータ」の活用は最近のホットトピックかと思います。なぜ注目されているのでしょうか。

黒田:今までは純広告を始め、ネット広告は、「枠」売りがメインでした。一方で、ビッグデータが普及していくにつれて、ある特徴をもったオーディエンスに対して広告配信を可能にする、「人」売りもネット広告では可能になってきました。例えばDSP等はその代表例ですね。ビッグデータを活用することによって、「枠」だけでなく「人」売りも可能になり、ネット広告のアプローチが多様化してきました。広告主にとって、接触したいユーザに対してアプローチが可能な「人」売りは非常に魅力的ですので、こちらもここ最近注目されるようになりました。

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このように、「枠から人へ」という話が一般化してくると、媒体社も、DSPの枠を増加させているためその部分では売上が上がっているのですが、純広告と比較すると単価が低い傾向があるため、純広告中心で販売していた頃と比較すると収益性は下がってしまっているのが現状です。そこで一部の媒体社では、「枠」で売っていた純広告メニューに、オーディエンスデータを追加した「枠×人」の広告メニューの開発をすることで媒体としての価値を向上させ、結果的に収益も向上させることができるのではと考え始めています。

FlexOne®では、オーディエンスデータを追加した「枠×人」の広告メニューをどのように実現しているのでしょうか。

黒田:FlexOne®では、弊社DMPAudienceOne®※1と連携することにより、この「枠×人」の広告メニューを実現することが可能です。媒体社が持っているオーディエンスデータと、AudienceOne®がもっている嗜好性データを掛け合わせることによって、どのような趣味嗜好のユーザがいるのかを細かく分析し、そのユーザ層を見極めることが可能です。そして、それを付加価値の高い広告メニューとして売り出すことができます。
※1:AudienceOne®の詳細についてはこちら。

「枠×人」だけでなく、媒体社が広告収益最大化をするための手法が多様化してきているかと思います。DACは広告配信において、媒体社をどのように支援していこうと考えているのでしょうか。

黒田:媒体社にとって最も収益が上がる形で在庫配信していくことは、今後ますます重要になってくるかと思います。単純に、純広告を最優先で配信していく、という話ではなくて、例えばRTBの方が純広告よりも高い単価で売れるのであればそちらに在庫を流したりするといったように、臨機応変に収益を最大化できるような仕組みを構築していくことが必要です。

FlexOne®では、高度な在庫予測機能により、保証型の純広告を含めた「ホリスティックアプローチ※2」実現しています。このホリスティックアプローチによって、媒体収益最大化を目指すことが可能です。

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※2:「ホリスティックアプローチ」や媒体価値向上のための取組については、ATARA取締役COO有薗氏が弊社CMO徳久に行ったインタビュー(要約版)記事をご覧ください。

今後の開発・運用の方針について教えてください。

黒田:開発面では引き続きFlexOne® Dolphinの開発や、FlexOne® ROBINを始め、新しい動画広告フォーマット対応等に注力していきたいと考えています。

運用面では、専門のアドサーバ部隊による媒体社のサポートを今後も徹底したいですね。私の知る限り、弊社のように販売面・技術面の両方で媒体社をサポートできる会社は非常に少ないと思います。

冒頭でも述べましたが、インターネット広告事業の変革期にあたり、媒体社は様々な変化に対応していく必要があります。ただし、広告価値をあげていくことは勿論ですが、本質的に言えば、媒体価値を向上させることが必要だとDACは認識しています。
DACはこのFlexOne®を通して、今後も媒体社へのサポートができればと考えています。

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黒田さん、ありがとうございました。
今回ご紹介した内容にご興味を持っていただいた方は、以下よりお問い合わせください。

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