【連載ブログ第3弾】CDPとDMP・MAの違いと最適な活用法

 2021.11.15  デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

データの活用が企業のマーケティング活動の中で非常に重要視されている昨今、日本でも認知が大きく広がり世界的に導入企業が増加傾向にあるのが『カスタマー・データ・プラットフォーム(以下、CDP)』です。

 本連載ではCDPの基礎知識から活用方法、導入に向けたステップなど、CDPに関する情報をお届けします。第3回の本記事ではCDPと同じく、顧客データやWeb上でのユーザーデータを扱うDMPやMAといった他ソリューションとCDPにはどのような違いがあるのかを整理し、最適な活用法についてお伝えいたします。

CDP連載ブログ

【第1弾】いまさら聞けない『CDP』とは?|その種類や活用方法まで詳しく解説!
【第2弾】CDPで何ができるのか?|データ統合による顧客理解とコミュニケーション施策をご紹介!
【第3弾】CDPとDMP・MAの違いと最適な活用法※本記事※
【第4弾】『CDP』導入までの3つの壁|直面する課題とその解決策を細かく解説!
【第5弾】『CDP』導入後の流れ|どのようにプロジェクトを進めればよいか?成功のために意識すべき点について(前編)
【第6弾】『CDP』導入後の流れ|どのようにプロジェクトを進めればよいか?成功のために意識すべき点について(後編)

CDPとDMPの違い

CDPと同じく、マーケティング施策へのデータ活用を可能にするソリューションの一つにDMP
(データマネジメント・プラットフォーム)があります。

CDPとDMPはどちらもデータ活用を行うためのソリューションではありますが、活用の目的や施策には大きな違いがあります。混同しやすいそれらの違いについて、詳しく解説していきます。

CDPブログ第3弾_画像①
まずCDPとDMPの大きな違いとして扱うデータの種類が挙げられます。

CDPでは個人情報を含む1stパーティデータの収集が可能で、個人情報に行動データや購買データ等を組み合わせて顧客単位で管理をしていきます。そのため顧客を深く理解していくことや顧客ごとにコミュニケーションを行っていくことが得意です。

対してDMPはCookieなどの匿名のデジタル識別子に紐づいた3rdパーティデータを主に扱い、セグメント単位で管理をします。自社で収集できない3rdパーティデータから新たな示唆や顧客像を発見することが得意です。

そしてデータ活用の幅にも違いがあります。DMPは自社では収集できない外部の行動データが中心でセグメント単位での管理となるため、広告配信やLPOなどのマーケティング施策へのデータ活用が得意領域になります。

一方でCDPは顧客データやオフラインの購買データ、IoTデータなど、ありとあらゆる自社データを統合・管理することができるため、マーケティング施策に限らず、経営方針を判断するためのダッシュボードや流通・営業支援といった内部的な改革にもデータを活用することができます。

CDPブログ第3弾_画像②
以上のようにデータの種類や活用の幅に違いがありますが、CDPとDMPは補完関係であり、それぞれの得意領域や活用目的が異なっているため、データ活用目的に合わせて適切に利用していくことが重要となっています。

DMPを掛け合わせたCDPの活用イメージ

ここまでDMPとCDPの違いについて解説してきましたが、ここからは補完関係であるDMPとCDPを掛け合わせた効果的な活用方法についてご紹介いたします。

CDPは1stパーティデータである顧客データを統合・管理し、分析や活用へとつなげるためのソリューションですが、CDPを構築していくにあたり、自社のデータ量が足りず、分析や施策に活用することが困難という課題が多く見受けられます。

その際にデータの補完をしてくれるのがDMPになります。DMPは自社で収集できない3rdパーティデータを保有しているため、それらを外部データとしてCDPに連携させることが可能です。これによりデータの量・種類が増加し、自社データがリッチ化するため、より精緻な顧客理解や効果的な顧客コミュニケーションを行うことができるようになります。

例えば新規顧客のインサイトを把握するために、自社外でどのようなことに興味を持っているかを深堀したい場合は、DMPの興味関心データを連携することで、外部のサイト行動に基づいた潜在的なインサイトの把握や広告配信のターゲティングへ活かすことができます。また既存顧客へのクロスセルや離反防止を図るためには、DMPで他社関心を測る検索キーワードデータをCDPに連携することで既存顧客の中で解約予兆が見受けられる顧客を事前に捕捉することが可能になります。

CDPブログ第3弾_画像③

例のようにマーケティング施策のファネルごとに必要なデータをDMPから補完し、より効果のある施策を行うことが重要になります。弊社DMPAudienceOne®のデータもCDPへと連携させることが可能です。

関連記事

クロスセル促進やユーザーの離反防止にも活用できる、AudienceOne Discovery® ユースケース紹介

CDPとMAの違い

DMPと同様にCDPと混同しやすいソリューションとしてMA(マーケティング・オートメーション)が挙げられます。ここからはMAとCDPの違いについて解説していきます。

まず前提としてMAは主に販促支援などに活用する「デジタルマーケティングツール」に位置づけられます。顧客を管理するCRMやデータを可視化するBIもマーケティングの支援ツールの1種です。

一方でCDPはデータを統合・管理し、マーケティング施策などにデータを活用するための「データプラットフォーム」に位置づけられ、MAなどのマーケティングツールへデータを連携させることで施策を行うことができます。

このようにCDPとMAでは役割が大きく異なっており、単純な比較は難しいため、CDPを掛け合わせてMAを活用する場合、MA単体での活用とどのような違いがあるのかご紹介いたします。

CDPブログ第3弾_画像④

上の図のように、大きく3つの違いを挙げることができます。

「CDP×MA」と「MA単体」の違い

その1:扱うデータの種類・量・保持期間

MAは主に顧客の属性情報やメール・自社サイトにおける顧客のアクションなどが扱うデータとなります。一方でCDPを掛け合わせた場合はオフラインの購買データなども保有することが可能で、扱うデータの種類に関しての制限はありません。またデータの量・保持期間に関してもMAは制限がありますが、CDPを掛け合わせることでその制限を取り払うことができます。

その2:活用施策の幅

MAはリード育成に優れたマーケティングツールであり、見込み顧客に対して適切なコミュニケーション施策を行うことが得意です。メールの開封などの行動からスコアリングも可能で、それらをもとにメールの配信条件やシナリオを設定し、適切なタイミング・内容でコミュニケーションを取ることができます。一方で、MAで収集できるデータを新規見込み顧客の創出やアフターフォローなどにそのまま活用することは限界があります。そこでCDPと掛け合わせることで、MAで収集したデータを他のマーケティングソリューションや広告配信に活用することが可能になり、すべてのフェーズで自社データを活用する環境が整えられます。

その3:作成できるセグメントのバリエーション

MAでは施策を行うためのセグメントも属性情報やオンライン上の行動履歴をもとに作成することが一般的です。そこで種類・量・保持期間に制限のないCDPでセグメントを作成し、MAに連携させることで複雑で多彩なセグメント条件を作成することが可能になっていきます。

 以上の3つが主な違いになります。活用イメージは下図のように、CDPのデータを使って分析やセグメント作成を行い、MAに連携して施策を実行するという方法で効率的にリード獲得からアフターフォローまで行うことができます。

CDPブログ第3弾_画像⑤

MA単体でも効果的な顧客コミュニケーションを行うことができますが、CDPを掛け合わせることで活用できる施策の幅が広がり、データの種類も増えるためより高精度で多様なコミュニケーション施策を実行することが可能になります。

関連記事

・TreasureData CDP|170を超えるテクノロジー・ツールとのデータ連携

まとめ

DMP・MAとCDPの違いについて理解いただけましたでしょうか。

このようにそれぞれの役割が異なっているからこそ、得意領域を組み合わせた活用が重要になります。すでにDMPやMAをお使いの企業様はCDPを活用することでワンランク上の顧客理解と顧客コミュニケーションを行うことが可能になりますので、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。

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