【後編】クッキー規制時代の1stパーティデータの重要性と外部データを用いた発展形

 2022.08.09  中井 雄介

昨今、インターネット上でのプライバシーの保護が重要視されており、それに応じてクッキーや広告IDのデータ取得・利用に関する規制が進んでいます。この規制により、1stパーティーデータや外部データの活用が一層注目されています。

本ブログでは、前・後編に分けて、クッキー規制時代におけるマーケティング課題と、それを解決する1stパーティーデータの活用方法に加え、新たなオーディエンスデータについてご紹介。

「前編」ではクッキーや広告IDの規制による影響と、その対応策として有用な1st パーティーデータの重要性について解説しました。「後編」(本記事)では、1stパーティーデータ活用において直面する課題を整理したうえで、その課題を解決する新たなオーディエンスデータについて解説します。

関連ページ

1stパーティデータの活用において直面する課題 

インターネット上のプライバシー保護が重要視され始めたことで、クッキーや広告IDのデータの取得・利用を制限する技術的な規制と、個人データの取り扱いルールを厳格化する法的な規制が推進されています。 

この規制によってオープンIDの利活用は制限され、従来のターゲティングや効果計測が難しくなることで、3rdパーティークッキーや広告IDに依存しない1st パーティーデータの活用がより重要となってきています。

ですが、この1stパーティーデータに関しても、活用において直面する課題があります。
それは接点を持たない顧客のデータが得られないことや、せっかく接点を持った顧客でも自社以外での行動データを得られないことです。つまり、自社で収集できるデータには限界があるということです。

従来のデジタルマーケティングでは、自社では保有していない『興味関心』や『ライフスタイル』など推定報等を3rdパーティーデータで補うことで、顧客の理解を深めることが可能でした。

挿絵1(差し替え検討)

しかし、従来の3rdパーティーデータは3rdパーティークッキーを利用するため、技術規制の影響を受けてしまいます。そのため、これまで通りに3rdパーティデータを活用するため、3rdパーティークッキーに依存しない新たなオーディエンスデータが求められるようになりました。

 

統合ID技術「AudienceOne® IDを活用した新たなオーディエンスデータ 

「AudienceOne®︎ ID」とは

「AudienceOne® ID」は、自社で開発・提供するDMP「AudienceOne®︎」において確立した統合IDです。統合IDを活用することにより、3rdパーティークッキーを利用せず、生活者のプライバシーに配慮しながら、3rdパーティーデータを活用することが可能になります。

a-oneID_logomark+type_h

「AudienceOne®︎ ID」 に紐付くオーディエンスデータ

従来のオーディエンスデータは、タグを設置したサイトに来訪したユーザーへ、3rdパーティークッキーを発行することでユーザーの識別を行っています。一方、この新たなオーディエンスデータでは、1stパーティークッキーとIPアドレスに基づいた独自の推計ロジックを用いて、サイト訪問ユーザーに AudienceOne® ID を付与することで、ユーザーの識別を行います。 

また、DACではこの統合ID技術を広告のターゲティング配信に活用するサービスも提供しております。ブラウザやデバイスにおける技術的な制約が拡大しているポストクッキーの時代ですが、広告主・広告会社と媒体社双方の課題解決を実現します。

挿絵3-2

 

広告主・広告会社

リターゲティング広告やインタレストベース広告など、現在は3rdパーティークッキーへの依存度が高いターゲティング広告の手法を、3rdパーティークッキーが利用出来なくなった後も継続して実施することができます。
3rdパーティークッキーに依存しない、効率的なデジタルプロモーションの実施が可能になります。

媒体社

広告主企業・広告会社・DSPベンダーなどによる、リターゲティングやインタレストベースの広告枠の買い付けが期待できます。加えて自社のオーディエンスデータを活用した広告商品やデータ商品の企画・販売を、3rdパーティークッキーが利用出来なくなった後も継続して実施することができます。
3rdパーティークッキーに依存せず、効率的な販売や魅力的な商品の開発が可能になります。

 

AudienceOne®︎ ID の特長と活用可能領域

AudienceOne®︎ IDは単なる統合IDソリューションにはとどまらず、これまでAudienceOne® で培ってきた3rdパーティーデータの利用も可能です。年代・性別・年収などの属性データや、1,300カテゴリもの興味関心に関するデータを利用することができるため、CRM領域・広告領域のどちらの施策に対しても有用なものなっています。

挿絵2-3

CRM領域

RFM分析やシナリオ設計を行う際、1stパーティデータだけでは整理しきれなかったユーザーに対して、AudienceOne® ID で得られた興味関心データなどの3rdパーティーデータを補うことでアプローチすることができます。これにより既存顧客に対して効率的なコミュニケーションが可能になります

広告領域 

1stパーティーデータに対して、AudienceOne® ID を用いて得られた3rdパーティーデータを掛け合わせ拡張することで、未接触ユーザーへの推定属性・興味関心ベースのターゲティングが可能になります。これにより、より効率的な新規顧客の獲得が期待できます。

 

まとめ

今回は1stパーティーデータ活用において直面する課題と、その課題を解決策となる新たなオーディエンスデータについて解説しました。

3rdパーティクッキーや広告IDの規制強化は今後も進む見込みであり、規制の影響を受けない1stパーティデータの活用がより一層重要となります。しかし、1stパーティデータの活用においては、収集できるデータに限界がある点が課題となります。そのため、不足したデータをオーディエンスデータで補完することで、顧客の理解を深めることが重要になります。

また、オーディエンスデータについては、統合IDを活用したオーディエンスデータを用いることで、3rdパーティークッキーが利用出来なくなった後でも継続的なデジタルマーケティング施策が実現可能となります。今回ご紹介した統合IDソリューション「AudienceOne®︎ ID」には、年代・性別・年収などの属性データや、1,300カテゴリもの興味関心に関するデータが紐付いていますので、これからのデジタルマーケティングに活用いただけると考えています。

DACでは、1stパーティーデータの活用基盤となるCDPの構築やコンサルティング、データ戦略など、課題に合わせてさまざまなサービスを提供しています。CDPにご興味のある方や導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。

<<前ページ

関連ページ

この記事の執筆者

中井 雄介

ソリューションビジネス本部DXソリューション局コンサルティング部に所属。 主にTreasureData CDPのセールスとCDPを活用したデジタルマーケティング領域の課題解決に取り組んでいる。得意領域はメディア事業のデジタルマーケティング推進。

ソリューションビジネス本部DXソリューション局コンサルテ...

RELATED ARTICLES関連記事


TreasureData お問い合わせ
この記事が気に入ったらいいねしよう!